多摩テック(日野市程久保5)が9月30日に閉園するのを受け、全国各地から閉園を惜しむ客が集まり混雑が続いている。
同園は1961(昭和36)年にホンダの出資によって開業した遊園地。これまでホンダが100%出資するサーキット・レジャー施設運営会社「モビリティランド」(三重県鈴鹿市)が運営し、国際的なレーシングコースである鈴鹿サーキット(鈴鹿市)やツインリングもてぎ(栃木県茂木町)と並んで、同社の事業の中核を担ってきた。
しかし、同園は2002年をピークに来場者数が減少。「2年前から社内に将来計画プロジェクトを立ち上げるなど様々な活性化の検討を行ってきた」と同社の広報担当者。「しかし高低差のある地形や限られた敷地面積ではレーシングコース・遊園地・交通教育を兼ね備えたモビリティ総合施設としての開発は困難であるという結論に達した」(同)。このことを受け、同園はすでに一定の役割を追えたとして、今年2月、併設する温泉施設「クア・ガーデン」とともに閉園すると発表していた。
閉園を受け、今年7月から「グランドフィナーレ」と題してさまざまなイベントを企画。開園当時のアトラクションなどを映像で振り返る「メモリアルシアター」や当時の乗り物の復元展示、アトラクションの復刻などを行ってきた。また、一般から同園で撮影した思い出の写真を募る「思い出アルバム」という企画も実施。ホームページ上では1960年代から現在に至るまでの数多くの人々の写真が載せられている。
同園によると、「グランドフィナーレ」の開始以降、客足は伸び続けており、特に週末は混雑が激しいという。「人気アトラクションの待ち時間は3時間を超えることも」。併設する駐車場も早い時間に満車になってしまうため、電車などの公共交通機関を使った来園をお勧めしている。「皆さまに最後まで安全で安心してお楽しみいただくため、平日のご来園を強くお勧めする」とも。
連休に当たる21日~23日は特に混雑が予想され、無料送迎バスなど同園が行っているサービスにも大幅な遅れが見込まれることから、京王線・多摩モノレール「多摩動物公園駅」から同園までの間でスタンプラリーを行う「多摩テックわくわくウォークラリー」を実施し、車での来園を避けるよう促す。
営業時間は、平日=10時~17時、土曜・日曜・祝日=9時30分~20時。営業終了となる9月30日は19時まで営業する。