高尾山で恒例「火渡り祭り」-震災から1年、被災地に祈り捧げる

昨年行われた「火渡り祭り」の様子

昨年行われた「火渡り祭り」の様子

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 高尾山薬王院(八王子市高尾町)で3月11日、春の恒例行事「高尾山火渡り祭り」が行われる。会場は同院自動車祈祷殿広場。

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 同院は744年に開山されたと伝えられる真言宗智山派の大本山。成田山新勝寺(千葉県成田市)、川崎大師(神奈川県川崎市)と並んで関東三大本山の一つとして知られる。本堂は高尾山頂に位置するほか、高尾山麓の同殿では日頃、交通安全祈とうを行っている。

 火渡り祭りは高尾山の「水の行」「火の行」の2つの荒行のうち、「火の行」を一般公開するもの。火をたいて祈りをささげる護摩修行としては同院の中でも最大の行事で、「正確な数はわからないが、1000人くらいの方が参加する」と同院担当者。

 同祭りは毎年3月の第2日曜日に行われており、昨年は東日本大震災から1週間後というタイミングで行われたこともあって、被災地に向けてメッセージや祈りがささげられた。今年は震災からちょうど1年を迎える日に開催。「このこともあって、タイトルに『復興祈願』の文字を入れさせていただいた」とも。

 会場では積み上げたヒノキの葉に火をつけ、信者や一般の参加者が氏名や年齢、願い事を書き込んだ札をたき上げる。札は「撫(な)で木札」と呼ばれ、事前に200円で授与。体の悪いところをなでた後にたき上げると病魔がなくなるとも言われている。火が収まったところで白装束に身を固めた修験者が火渡りを行った後、その残り火の上を一般の参加者が素足で歩く。

 当日はこのほかにも、祭りの時にのみ配布される「梵天(ぼんてん)札」を刺したみこしが登場。護摩の周りを祈とうしながら担ぎ歩き、その後、来場者にお守りとして授与する。「火伏せのご利益もあるので、台所など火を使う場所にまつっていただくのもいい」。初穂料は500円。このほかにも、火渡り祭りに参加した証しである「渡火証」(300円)なども用意。

 祭りは13時から。

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