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蛇の目ミシンの商品にグッドデザイン賞-ビッグサイトで展示へ

東京ミッドタウンで行われたプレゼンテーションの模様

東京ミッドタウンで行われたプレゼンテーションの模様

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 蛇の目ミシン工業(八王子市狭間町)の家庭向けミシン「DC6030」が今年の「グッドデザイン賞」を受賞し、11月23日から東京ビッグサイト(江東区)で行われる受賞発表展で製品が展示される。

正面には30個のボタンを配置

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 同製品は今年1月に発売された普及型コンピューターミシン。30種類のステッチが選べるよう個別の大型ボタンを正面に備え、ボタンを押すだけで好きな縫い模様が選べるのが特徴。これらが、「使い勝手の向上に積極的に取り組んでいる」と評価され今回の受賞につながり、「未来を示唆するデザイン」として、金賞などの特別賞の候補となる「ベスト100」にも選定された。

 2010年ごろから企画が進められてきた同製品。高齢者の利用や海外からの需要も多いことから、「年齢による違い、国籍の違い、キャリアの違いなどを無くすよう、誰でも直感的に使えるものを目指した」と同社研究開発本部開発第3部デザイングループGLの川口さん。「詳しく取扱説明書を端から端まで読まないといけないものではない」とも。

 「現在のインテリアで違和感のないものにしたい」というコンセプトを軸に同社デザイナーの高山さんが中心となってデザイン。東京ミッドタウン(港区)で今月2日、製品に携わったデザイナー自らが思いを語る「グッドデザイン・ベスト100 デザイナーズプレゼンテーション」が開催され、高山さんが登壇。出産したばかりの子どもに着せたいと作った服を片手に、「趣味としてのソーイングができる、とても身近に使えて、使うことが楽しくなるミシン。『使う時に出す』ではなく、『インテリアに溶け込む』を目指した」などと説明した。川口さんも「(ミシンは)押し入れにしまわれてしまっている。部屋の片隅に置けるということは、すぐに触れられるということ。それが手作りの楽しさにつながることを伝えたい」と話す。

 開発に当たり、同社として初めて本社の企画・デザインチームと台湾の工場に在籍する設計・開発チームの間で共同プロジェクトを設立。当時、台湾に出向していたという開発第3部部長の長内さんは「これが初めてということもあって、現地のスタッフもやる気を出していた」と振り返る。中でも、特徴的なボタンについては、「形状や材質、方法など、ここに至るまでにいろいろあった」と川口さん。ボタンの押し心地のイメージを伝えるために八王子から電卓やキッチンタイマーなどを送るなどして手間を重ね、「(ボタンという)たったこれだけの部分だが、時間がかかった」と振り返る。

 今回の受賞について、「デザイナーのイメージを実現に近づけることによって、世間に評価される結果につながることに社内の皆さんにも気付いていただければ」と川口さん。「今までできなかったことにも意欲的に挑戦できたら」と今後に向けて意気込む。

 サイズは、幅=約40センチ、奥行き=約17センチ、高さ=約30センチ。重さは6.8キロ。同社が運営する「ジャノメ・ファミリークラブ」加盟店を通じて販売を行っており、価格は15万7,500円。

 受賞発表展「GOOD DESIGN EXHIBITION(グッドデザイン・エキシビション) 2012」は今月23日~25日。会場は東4ホール。開催時間は10時~19時(最終日は16時まで)。入場料は1,000円。金賞をはじめとした特別賞は25日13時から、同会場で発表予定。

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