八王子市学園都市センターイベントホール(八王子市旭町)で4月14日、八王子における「写し絵」の歴史などにフォーカスを当てるイベント「アニメのルーツは八王子にあった」が行われる。
江戸後期から明治にかけては、アニメの先駆けとなる「写し絵」が全国的に流行。八王子では、染付師の亀屋都楽が絵を連続して描いた種板と木製の映写機を組み合わせた「風呂」を考案。その後は、地元に伝わる説教節や音楽が合わさった「写し絵」が上演され、地元でも人気を博したとされている。
これらの八王子における「写し絵」の歴史については、八王子市郷土資料館(上野町)が歴史的研究を進めてきたほか、当時から残る種板のデジタル化なども行われているが、あまり市民には知られていない。「八王子は古い街なので、歴史を掘り起こせばいろいろ出てくる」と、プロジェクトメンバーで八王子市議会議員も務める大久保さん。今回はこれらを現代のアニメのルーツの一つと捉えて、さまざまな催しを企画。「磨けば街の活性化の材料にもなるのでは」とも。
今回は入門編という位置付け。当日は映像作家で武蔵野美術大学講師の中島興さんによる講演「八王子の『写し絵』からアニメが始まった」のほか、東京造形大学デザイン学科の中里和人教授が「風呂」の構造などを解説。このほか、八王子に残る「写し絵」の歴史や説教節との関係などについても紹介する。合わせて、第2次世界大戦中の1943(昭和18)年に制作されたアニメ「くもとちゅうりっぷ」も上映予定。
開催時間は、13時~、16時~。入場料は1,000円。定員は各回188人。問い合わせはフェイスブック上のイベントページなどで受け付けている。