「八王子自動車教習所」が突然の倒産-教習生に衝撃が広がる

入口に貼られた同社労働組合による手書きポスター

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 八王子自動車教習所(日野市旭が丘1)は10月31日、経営不振から東京地方裁判所に破産手続き開始の申し立てを行った。負債総額などは明らかにしていない。

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 同社は1960(昭和35)年に東京都公安委員会から指定を受けた自動車教習所。JR中央線・豊田駅そばに立地し、普通免許のほか大型、中型免許の取得に向けた教習などを行っていた。教習料金は30日の時点で、普通マニュアル車=25万7,520円、普通オートマ車=24万6,750円などとなっていた。

 同社は今月30日まで通常どおり営業。しかし、31日になって経営の悪化から破産申し立てを行うと発表、すべての営業を中止した。同社によると、「少子化による受講者減少、乱立する競争業者との激しい値引き合戦等の厳しい経営環境」にあったという。

 テレビを見てやってきたという日野市の会社員(24)は「バイクの免許を取るために通っている。14万円くらい支払ったが、この後どうなるのかまったくわからないので説明を求めに来た」と話す。また、18歳の高校生は「今、2段階の途中。学校側の説明を求めて待っているが、込んでいて話を聞けていない。アルバイトで貯めたお金と親からの補助で通っているので、とにかくお金だけは返してほしい」と訴える。

 取材に応じた同社社員によると、現在、同社には60人の社員が在籍。しかし、30日夜、業務が終わった後に社員に対して破産が伝えられ、その場で全員が解雇されたという。「寝耳に水の話。しかし、先代から受け継いだ時点で多くの借金があった」(同)とも。17年ほど前からリストラを進め、系列のバイク教習専門校「八王子ライダーズスクール」の閉校などを行ってきたが、経営危機は常態化。「5、6年前からボーナスカット、賃上げなし、社員の契約社員への変更などが行われていた」(同)という。今日も30~40人の「元社員」が出社。「できれば破産ではなくて、民事再生などの手続きで再生できないか経営側に求めていきたい」と話す。

 中止された教習については他校への転校などを進める方針。しかし、同社は「ご返金すべき教習料金を全額返還することはきわめて難しい状況」とし、「どの程度ご返済できるかは定かではありません」(同)。また、転校しても新しい入所先の入所金、教習料などは負担できないという。

 同社はホームページ上に掲載した「受講者の皆様へ」という文面で、「断腸の思いでありますが本日以降の教習業務を行うことは不可能となりました」としたうえで、「このような突然の事態を招き、受講生の皆様には多大な御迷惑をおかけし誠に申し訳ありません」と謝罪する。

 債権者説明会は11月3日14時30分から、日野市民会館大ホール(日野市神明1)で行われる予定。

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