JR八王子駅北口広場(通称=マルベリーブリッジ、八王子市旭町)を舞台に地元商店会と東京造形大学(宇津貫町)の学生が行ってきた「マルベリーブリッジプロジェクト」の成果が今夏、冊子としてまとめられた。
北口・旭町地域内の商店らによる「八王子駅北口商店会」が主催し、2006年から行われてきた同プロジェクト。同大室内建築専攻領域の学生と教員を中心に毎年、七夕とクリスマスの時期に合わせて、広場にある絹の布をイメージしたモニュメントを囲むように飾り付けを展開。七夕の時期には願い事を書いてもらう短冊を用意するなど市民参加型でプロジェクトを進めてきた。
同大が初回の2006年七夕~2013年七夕までの、7年間の作品をまとめて冊子化。編集・デザインは学生が手掛け、写真をふんだんに使いながら作品のコンセプトなどを紹介する。「いつも試行錯誤しながらやってきたが、皆さんとの思い出のひとかけらをまとめていただいた」とプロジェクトに携わってきた八王子駅そばのコインパーキング・シミズパーク24(旭町)の清水さん。「これまでの15回の集大成。素晴らしい冊子を作っていただいた」とも。
7年間の中でも、特に東日本大震災が発生した2011年の七夕の飾り付けは記憶に残っているという。同年2月に八王子の玄関口として親しまれてきた「そごう八王子店」の閉店が発表され、「今のままじゃ八王子は駄目じゃないかと思っていた矢先のこと」と清水さん。震災を受け、「飾り付けをするかどうかも議論になった」と振り返る。
結果、この時はブルーを基調とした布に「WE LOVE 東北 JAPAN」の言葉と、かっこ書きで「八王子もね」の一言を添えた飾り付けにした。被災者への応援メッセージを書き込める短冊も用意するなど工夫を凝らしたものとなり、「本当に思い出深い」と話す。
冊子はシミズパーク24内に設けたフリーペーパーコーナーで配布。数はあまり残っていないが、清水さんは「次のプロジェクトにつなげていくためにも、ぜひ見ていただければ」と呼び掛ける。