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八王子に憩いのスペース「となりわ」 旧家をリノベーション、カフェや物販も

旧民家を改装してできあがった「となりわ」

旧民家を改装してできあがった「となりわ」

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 八王子横山町郵便局のそばに7月9日、「八王子の憩いの場」をコンセプトととした施設「となりわ」(八王子市横山町)がオープンした。

母屋から庭が見渡せる「となりわ」

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 旧川口邸をリノベーションして生まれた同施設。テーブルなどが置かれ日中はフリースペースとして一般に開放されている庭と、物販スペース「四通八達(しつうはったつ)」、飲食店「トナリワダイニング68(ろっぱち)」が設けられている母屋から成る。

 「四通八達」は、四方八方に道が通じているという意味。「地場はもちろん全国各地より厳選した良いものを販売できるように」との思いから名付けられ、地場野菜のほか雑貨などを販売する。

 「トナリワダイニング68」は、八王子南口駅前の飲食店街「八王子ロマン地下」にある「燻製バル68」が内容をブラッシュアップし移転したもの。「薫製はもちろん創作洋風料理メニューも豊富に取りそろえている」と、店を手掛けるグッドネイバー(横山町)の藤田佳久さん。

 ランチタイムには「日替わり十六穀米ランチセット」やパスタセット(以上980円)、ディナータイムは「都会のアウトドア」をコンセプトに、フライパンであるスキレットに載せたハンバーグ(1,380円)などのメニューを提供する。

 空き家となっていた同所を街中の滞留拠点として有効活用しようと、まちづくり会社「まちワイ」(旭町)、不動産業者「セイシンハードウェア」(横山町)などが協力し、1年がかりで準備を進めてきた。

 住宅だった母屋は天井や壁を取り払い、木目を生かした空間にリノベーション。古いミシン台を改造したテーブルや、旧川口邸の建具を内装に生かすなど各所に工夫を凝らす。「昼は庭にイートインできる飲食店という形。夜はがらっと雰囲気を変え、ビルの隙間に非日常なアウトドア空間があることを売りにしている」と藤田さん。

 店のターゲットは、30~40代の家族連れ。8月初旬に行われる「八王子まつり」では、ドリンクをキャッシュオンで販売しながら店内を無料開放し、個室は授乳室として使ってもらうなど「ハードもソフトもどんどんと育てていきたい。地域のランドマークとなることで、このエリアの動線を変えたい。週末には立川に負けないくらい市外から人が来る場所を目指せれば」とも。

 「シロアリに食われて床がぷかぷかしていたところから始まったので大変だったと思う」とセイシンハードウェアの矢野理信社長。「まちワイなどと協力することで、場所をうまく利用して街を活性化させようという動きが生まれ、地主さんの心も動かせたのでは。遊休土地が動き始めると商業施設なども相乗効果で活気が出てくるので、この地域を活性化することでウィンーウィンの関係に持っていければ」と話す。

 まちワイの星見和男さんは「大きな都市開発は合意形成も大変。眠っている資源を生かすという意味でも小さな規模の開発は、これからのトレンドになると思うし八王子らしいとも思う。この場所を次へと波及させることができれば」と今後に期待を込める。

 営業時間は、フリースペース=10時~16時、四通八達=11時30分~16時。トナリワダイニング68は、ランチ=11時30分~14時、カフェ=14時~16時、ディナー=17時~23時。

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