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ティアック、自動文字起こしを動画で紹介 聴覚障がい者からの助言きっかけに

「TASCAM MiNiSTUDIO US-32W」とGoogleドキュメントを使って文字起こしを行っている様子

「TASCAM MiNiSTUDIO US-32W」とGoogleドキュメントを使って文字起こしを行っている様子

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 音響機器メーカーのティアック(多摩市落合)が3月3日、同社のUSBオーディオインターフェース「TASCAM MiNiSTUDIO シリーズ」を使って、音声を文字起こしする方法を紹介した動画をユーチューブなどで公開した。

動画では「はとむぎ」さんが朗読、収録したもの使って文字起こしを行う方法を紹介

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 ユーチューブやニコニコ動画などで動画配信を行う際、パソコンやスマートフォンに音声を入力するために使われる同製品。同社では「家庭用放送機器」として位置付けており、昨年10月には、コンデンサーマイクを内蔵し、リバーブやボイスエフェクトなどの機能を搭載した「US-32W」を発表・発売した。

 今回はパソコンで収録した動画を再生し、同製品を介してパソコンに入力することで、Googleドキュメントや音声入力を提供するウェブサービス「Speechnotes」を使って文字起こしを行う方法を紹介。動画では目や耳への刺激から心地よさを感じる、ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)の動画を制作・配信している「はとむぎ」さんが夏目漱石の「吾輩(わがはい)は猫である」を朗読した。

 音声入力はパソコンに内蔵されているマイクでも可能だが、「MiNiSTUDIO」を使う利点について、同社営業企画課の加茂尚広さんは「文字起こしはマイクの精度で差が出るし、録音したものも素材として使える」と話す。特に新聞・雑誌の記者やライター、会議の議事録担当者に加え、聴覚障がいを持つ人に有用とアピールする。

 昨春、同社が幕張メッセで行われたイベント「ニコニコ超会議」に出展した際、ブースを訪れた聴覚障がい者とその友人が「音声を文字に変換する機器が少なく、困っている人が多いため広く紹介してほしい」とアイデアを提供したことが動画を作るきっかけになったという。

 「私たちは音の会社。社内で裏技のように使っていた文字起こしを実演したところ、手話通訳もできる介護士の友人の方が『これをぜひ広めてほしい』とおっしゃってくださった。それがずっと心に残っていた」と加茂さん。「自分でも文字起こしにはすごく困っていて、『MiNiSTUDIO』を使うことで劇的に早くなったこともあり動画を作りたいと思った。社会貢献というと大げさだが、お困りの方の一つの手段になれば」とも。

 今後は聴覚障がいに関わる施設などでの実演や視覚障がい者に「ASMR」の音を体験してもらう取り組みなども行っていきたいという。「お困りの実情を伺いに行きたいし体験する場も提供したい。それを製品にフィードバックさせるようなこともできれば」と意気込む。

 動画はユーチューブ「tascamjp」、ニコニコ動画「ティアック ストア」のそれぞれのチャンネルで見ることができる。

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