「『雪の日のTV中継』八王子駅の名物です」などと書かれた看板を9月から、不動産業者「エスエストラスト」(八王子市横山町)が自社の管理物件に掲示する作業を進めている。
八王子市内を通る国道16号沿いの大横町交差点に青地に白抜きの文字で「わたしより、信号を見て」と書かれた巨大広告を展開するなどしている同社。ブランディング活動の一環と位置付けており、「野猿街道に猿はいるのか」「ラーメンにタマネギのせる店、だいたい八王子」「100円ラーメンは、みんなの心の中にある(涙)」「西豊田駅ってどうなるのかな」「TOYOTAじゃないよTOYODAだよ」「南平まで約1km。南米まで約17000km」「きぬた歯科より目立ちたいけど、歯が立ちません」など地域色を生かしたさまざまな面白広告を30カ所以上にわたって設置してきた。
今回はこれまで行ってきた広告をベースに、地元を表現したキャッチコピーを掲載した看板を製作。キャッチコピーは店舗を展開している八王子、西八王子、高幡不動、聖蹟桜ヶ丘などエリアに合わせ、「立地も、リッチも、かなえるなら」「『味ん味ん』が読めれば、あなたも立派な多摩住民」「上京したけど、ビルより山に囲まれてる」「ペットは不可ですが、動物園がご近所です」(以上、原文ママ)など30パターン以上を用意した。
同社の杉本浩司社長は、これまでの看板広告について「初めて会う方からも『看板やっている杉本さん』のように言われるので、それなりに認知をされているのでは」と話す。「不動産をアピールする広告はなかなか響かない。部屋を探したくなったときにエスエストラストが浮かんでくれればいいというのがスタート」とも。
これまでは、コピーライターの森田哲生さんらと共に広告を作り上げてきたが、今回は店舗のスタッフからキャッチコピーとなる言葉を集め、それを基にブラッシュアップする形を取ったという。「スタッフも企画に参加したいという声があり、では全社から聞こうということになった」と杉本さん。「自由にやらせたので店舗によってカラーが出たと思う。彼らが自分たちで作ったものであれば、大家にも言いやすいだろうし地域でも話題にしやすいのでは」と話す。
9月には京王線・めじろ台駅前にある、めじろ台店の店舗のリニューアルに合わせ、「いい物件がめじろおしの不動産屋」とだじゃれ混じりの看板を取り付けるなど各店舗の看板についても、その立地に合わせたキャッチコピーを書いた看板を付けることを検討しているという。
杉本さんは「まだ地域の方の反応は見えてきていないが、反応が出てきたら次のことを考えたい」と意気込む。