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「東京ビジネスデザインアワード」最終審査で事業提案 八王子発実家のミニチュア作りなど

トリアド工房の模型製作技術を生かしたサービスが提案された

トリアド工房の模型製作技術を生かしたサービスが提案された

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 八王子市内の企業2社も題材となった2019年度の「東京ビジネスデザインアワード」の提案最終審査が2月5日、東京ミッドタウン(港区)で行われた。

第一合成の「ダンプラシート」は、オフィスツールの形で提案された

 東京都が主催し日本デザイン振興会(港区)が企画・運営する同賞。都内の中小企業が持つ技術や素材などを題材にし、新たなビジネスの提案を募る企業参加型のデザイン・事業提案コンペティションとして、8回目を迎えた。

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 博物館など施設の展示造形物を手掛けるトリアド工房(八王子市大塚)による「文化財レプリカ製作で培った『模型製作技術』」、段ボール箱をはじめとした梱包(こんぽう)材などを手掛ける第一合成(元本郷町1)の「繰り返し使え、耐久性に優れた『ダンプラシート』」を含む9つのテーマが選ばれ、これを基に全国のクリエーターから161件の提案が寄せられた。審査会による1次審査、テーマ選定企業も交えた2次審査を経て、昨年12月に9件がテーマ賞として選出された。

 今回はテーマ賞を受賞したものの中から最優秀賞など各賞を選出するため、クリエーターが一般公開でプレゼンテーションを行う最終審査を開催。発表順はくじ引きで決められ、発表時には応援として企業の担当者も登壇。審査員の質問に答える場面もあった。

 トリアド工房については、クリエーティブディレクターの山本伸明さんらが「実家は家族の重要文化財」をキーワードに、その模型製作技術を生かして、実家をミニチュア化し家族の思い出として手元に残す「Repli-ke(レプリケ)」というサービスを打ち出した。

 地方に実家を持つ都市部在住の30代以上をターゲットに据え、住宅デベロッパーとの提携や八王子市のふるさと納税の返礼品に組み込んでもらうことを狙うなど意欲的な提案を行った。審査員からは「受注が集中した時に生産体制を保てるのか」といった質問が上がったほか、想定価格が、スタンダードブラン=20万円~、室内まで再現したハイクオリティープラン=40万円~であったことを受け、「高額な商品なので、本当に購入してもらうためにはもう1つ仕掛けが必要なのではないか」といった意見も上がった。

 第一合成の「ダンプラシート」については、プランナーの多湖俊一郎さんらが、「素早く空間設計ができるダンプラ製オフィスツール」を提案。オフィス向けにパーテーションやタスクボード、スクリーン、キャビン、ホワイトボードなどを展開し、素早く簡単に組み立てられ、持ち運びや収納も自由なことが目玉だという。大企業だけでなく小規模店舗や施設などもターゲットにしたビジネスプランを打ち出したところ、審査員からは「どのくらいの大きさなものまでできるのか」「耐久性に問題はないのか」といった質問が飛び出し、答える場面が見られた。

 審査の結果、最優秀賞には東京大学発のスタートアップ企業であるセルファイバ(文京区)の「細胞ファイバ技術」をテーマとし、デザイナーの清水覚さんらが手掛けた「新規培養技術による『酒づくりイノベーション』」が選ばれた。優秀賞2件も併せて選ばれたが、トリアド工房、第一合成のそれぞれについては選外となった。

 審査委員長を務めたデザインディレクターの廣田尚子さんは「今日発表してくださった皆さまのレベルは本当に高かった。9組のどのチームが上位の賞を取ってもおかしくはなかった。審査員もプレゼンテーションの前に『今日は困った』と言っていたほど。毎年レベルが上がっている中、それをさらに超えてきた」と総評を述べた。

 2018(平成30)年に経済産業省と特許庁が「デザイン経営」宣言を打ち出したことを引き合いに出し、「中小企業の皆さんの実感としては、『うちの話ではないよね』というのが実情」と廣田さん。そんな中、同賞が2012(平成24)年から続いていることに触れ、「企業の経営体制、収益体制が変わるくらいの可能性がデザインにはあると思って活動してきた。今回、デザイナーの方々は『企業の経営がこれだけ変わる価値がある』というアプローチで提案してくれた。ちゃんと『デザイン経営』されているのがこの9組。小さな企業にも『デザイン経営』が入ってきていることが伝われば」とアピールする。

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