ウェブ開発などを手掛けるフロントビジョン(八王子市元横山町3)は3月14日、オリジナルアウトドアブランド「MAAGZ」の展開を始めたと発表した。
キャンプを始めとしたアウトドアの情報をまとめた同名のサイトや、アウトドア用品を扱うショッピングサイトなどを手掛ける同ブランド。アートや建築、服飾、エンジニアなどさまざまなジャンルのクリエーターが集っており、第1弾のオリジナル商品として、たき火台「RAPCA(ラプカ)」を開発、販売もしている。
昨年5月ごろから本格的に動き始めたという。ブランド名は、ヤギの鳴き声を意味する「maa」と雑誌を意味するマガジンから付けた。同社ウェブエンジニアの日野慎哉さんは、ブランドの立ち上げについて、友人がキャンプ好きだったことに加え、「一時期カナダにいたことがあり、その時の友人が現地でキャンプブランドを立ち上げていた。好きなことを仕事にしていたことに影響されたところもある」と話す。「他業種が集まっているので、いろいろな視点から想像できるのが強み。製品というよりは作品を送り出している」とも。
たき火が好きだったことから、最初の商品はたき火台に決めた。通常、たき火台は調理には向いていないため、その点を改善し、機能とデザイン性を両立させたという。「キャンプの始まりから終わりまでの行動を全部出した。面倒くさがりなので、極力少ない道具で済ませたいと思った。撤収や洗いやすさなど広く考えて設計した」と日野さん。「アウトドア出身の人間ではないからこそ、新しいアイデアや業界の当たり前に疑問を持って考えていける」とも。
設計図をオープンソース化し誰でも作れるアウトドア用品の開発など、今後に向けたさまざまなアイデアも広げている。アウトドアのコミュニティーに限らず、さまざまな人と交流を図っていくことを狙っており、ユーザーからの提案も受け付けていく方針。「そのほうが新しいものが生まれやすいんじゃないか」と日野さん。
中小企業診断士でもある同社の黒川貴弘さんは「今までソフトウエアなどをやってきた中から、新規事業としてアウトドアブランドというものづくりに歩み出した。エンドユーザーの声と触れ合うことで、充実感を作っていけるような会社をつくり、そこで学んだものを将来的には経営コンサルトとして、ほかの会社づくりに反映できたら」と話す。