暮らす・働く 学ぶ・知る

春の「まちゼミ」始まる 八王子の51店が開講、楽しみ方の冊子も発行

参加各店で一般向けに講座を開催

参加各店で一般向けに講座を開催

  • 31

  • List
  •  

 商店主らが講師となり、専門的な知識や情報を無料で提供する講習会「八王子まちゼミ」が現在、八王子市内の各店で行われている。

1月には独自に「まちゼミガイド」を発行

[広告]

 2013(平成25)年夏に八幡町商店街が中心となって「得するまちのゼミナール」を開催したのをきっかけに始まった八王子の「まちゼミ」。現在は「八王子まちゼミ実行委員会」が主催。今回で17回目を迎える。店での日頃の接客の延長で講座を開くことを特徴とする。

 きものの西室(八王子市横山町)、タカクラメガネ(八幡町)、布団や枕を扱う「丸吉優眠館」(八幡町)、八王子エルシィ(八日町)、小坂時計店(東町)、レストラン「Kitchen ROCCO(キッチン・ロッコ)」(子安町3)など今回は51店舗が参加し、57講座を開催する。八王子芸妓衆も参加し、置屋「菊よし」の小太郎さんは「楽しく!日本舞踏エクササイズ♪」と題した講座を開く。

 パン・菓子の材料や道具を扱う「mix & mix」(横山町)の「米粉のバナナカップケーキ」など一部の講座は、Zoomを使ってオンラインで行うものもある。「肉の富士屋」(横山町)店主で、自らも講座を開く実行委員長の今井治(はるみ)さんは、コロナ禍であることを配慮して、「開催店に対しては、定期的な換気・マスク着用・消毒の徹底を呼び掛けている。それぞれの判断で、受講定員数を平常時よりも少人数に設定している場合もある」と説明する。

 毎年春と秋に開催し、今年で10年目を迎える八王子の「まちゼミ」。1月には「まちゼミ」の楽しみ方や参加店などを紹介するオリジナルの冊子「まちゼミガイド」を新たに発行した。制作した背景には、コロナ禍以降、受講者数の増加が伸び悩んでいることがあるという。「多くの参加店はコロナ禍で苦境に立たされていたし、市民の方々もコロナによる生活様式の一変により閉塞感にさいなまれていた」と今井さん。

 以前より実行委員会のメンバーから、チラシとは異なる紙媒体を新たに作り、ブランド力を強化したいという提案があったことも受けて、「八王子市輝く個店グループ支援事業」の補助金を活用し、冊子を作ることにした。今井さんは「コロナを吹き飛ばし、八王子まちゼミのブランド力を強化し、受講者を増やし顧客を増やすという循環を作るために、全国でも例を見ない『まちゼミガイド』の作成に着手した」と話す。

 制作に当たっては、「まちゼミ」の楽しさを分かりやすく伝えることをコンセプトに、写真やイラストなど多く使ったほか、「ご当地ユーチューバー」としても活動する洋品店「イツミヤ」(八幡町)の中野智行さんを「八王子まちゼミ広報大使」として起用し、さまざまな形で紙面に登場させた。

 今井さんは中野さんを「多くの市民の方々に、八王子まちゼミの存在を知ってもらい、興味を持ってもらうための切り札。八王子商人の代表で、ユーチューバーとして驚異的な登録者数を誇る中野さんは適任」と評価する。「楽しさを伝える一方、八王子まちゼミが熱い思いを持つ商店主たちで構成する八王子まちゼミ実行委員会による努力と知恵の積み重ねの上に成立していることもしっかりと示したかった」とも。

 これまでの受講者からは「八王子に転居して間もないが、まちゼミは八王子を知る良いきっかけになった」「いつも素通りしてしまっていた店に行くきっかけになった」「八王子は良い街」など好意的な声が寄せられているという。今井さんは「お客さまに喜んでもらえることは、われわれ商店主にとっての喜びだし、お役に立てることが商人の本分。今後も新規の参加店やタイムリーな内容の講座を増やしていくので、ぜひ気軽に受講してほしい」と呼び掛ける。

 事前申し込み制。講座内容や開催日はホームページで公開している。3月31日まで。

八王子経済新聞VOTE

「八経」こと八王子経済新聞に期待する記事は?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース