八王子の大型家具店「村内ファニチャーアクセス 八王子本店」(八王子市左入町、TEL.042-691-1211)で現在、手作り家具の製作技術を学ぶ「八王子現代家具工芸学校」の作品展が行われている。
昨年1月に同店敷地内のログハウスを活用して開校した同校。市内の家具店のほか、家具デザイナーや製造業者などで構成する自主組織「家具のまち 八王子」を土台とする。プロ・アマを問わず、自らの手で家具を製作したい人を大賞に授業を展開。講師は英国で家具のデザインや技術を学び、現在、日本工学院八王子専門学校で非常勤講師も務める伊藤家具デザインの伊藤洋平さんが担当する。
同校1階にはカンナ盤やプレス機、バンドソーなど大型工作機械を設置した「木工機械室」を設けるほか、2階には1人で1卓を使うことができる「手加工作業室」を開設。カンナやノミ、小型の電動工具などを使って木材の知識や組み木など基本的なものを学ぶ「基礎入門コース」、テーブルウエア、スツールなど小さめの家具を作る「基礎家具コース」、テーブルや椅子など大型の家具を製作する「応用家具コース」、図面や模型の製作などデザイン面について学ぶ「デザインコース」の4つのコースを設ける。「大型の機械をいきなり使わせるのは危険なので基本的なことから教えている」と伊藤さん。
「基礎入門コース」を終えた人は自分が作りたい家具をアドバイスを受けながら、自分の手で作り上げることを目指す。「自分が望んでいるものをやることはモチベーションにも効果がある」と伊藤さん。校内には材木店と連携することで材料の委託販売コーナーも設置。「どのような木材を使えばいいかわからないときはアドバイスをする。使いたい木材を自由に選んでもらうことができる」。同店が回収する不要家具も材料として再加工し、生徒に販売して使ってもらうことで生かしている。
今回は開校1周年に合わせて展示会を企画。授業の中で作り上げた受講生の作品を集めて展示した。「毎年1回は店でその年に作った展示会をと思っていた」と伊藤さん。「ただ作るのではなく多くの人に見てもらえるのは良いこと」。1カ月ほど前から準備を始め、会場では受講生が製作した椅子などの作品のほか、実際に扱っている木材や写真なども展示する。
展示会のサブタイトルは「20代から60代までの手作り家具作品展」。専門学校でデザインを学んだ人や会社員、定年退職者など幅広い年齢層の受講生が集まっている同校。「趣味としてやれられる人も仕事にしたいと思って来られる人もいる。展示作品の中には、現役の大工が家具作りを学んで作り上げたものなどもある」という。
開催時間は10時40分~19時(最終日は17時まで)。入場無料。2月27日まで。