マスコミ向けにマーケティング支援事業を展開しているエイスリー(八王子市高尾町)は現在、女性読者モデルのブログを中国語に翻訳したポータルサイト「読者美賢人β版」を公開している。
同社は、「ホリプロ」(目黒区)の元マネジャーが中心となって2008年10月に設立。出演者やスタッフなどへ「ロケ弁当」と併せて配布するフリーペーパー「mogmog(モグモグ)」を隔月で発行するほか、口コミを使った「バイラルマーケティング」を読者モデルが運営するブログで行う「読者モデルブロガーネットワーク」、声優やDJを使った「テレフォンアポイントメント代行サービス」などを展開している。
自社のブロガーネットワークに参加する150人の読者モデルのうち、翻訳を含めた利用許諾を得られた人が対象。中国語への翻訳では、観光コンサルティング事業などを行うエンジョイジャパン(文京区)と提携する。昨年9月ごろから準備を進め、現在は20人のブログを取り上げる。「中国人女性スタッフに面白かったブログをピックアップしてもらうなどして選んだ」と同社社長の山本直樹さん。
ターゲットは中国に住む「F1層」と呼ばれる20代の女性。「中国ではインターネットの掲示板が盛ん」と山本さん。掲示板を通じて口コミで広がっていくことを目指す。「日記としては中国の人のものよりもしっかりとしていると聞いた」。現在はエンジョイジャパンのスタッフ3人が対象となっているブログの全ての記事を中国語に翻訳するが、「今の状態だと20人から30人くらいを訳すのが限度」だという。「将来的にはメンバー入れ替えなども行い、ベストメンバーをそろえてやってみたい」と山本さん。
20代の女性をターゲットにした「Ray」「CanCam」などのファッション雑誌について、「中国版が150万部くらいは売れている」と山本さん。「これらのいわゆる『赤文字系雑誌』が中国では来ているという話もあるし、上海や北京から日本の事務所に直接モデルの出演依頼があるとも聞く。今の段階では認知度はゼロかもしれないが、何らかのフックにはなるのでは」
現在公開しているのはベータ版で、今春にも本サービスへ移行する予定。将来的には中国向けにサービスを行っている日本企業への広告営業なども狙う。「ブログの記事をちゃんとコンテンツとして考えている事務所はあまりなかった」と山本さん。「中国との接点を作っていくことで、日本のモデルを中国の広告につなげていくこともできると思う」と意気込む。