八王子市学園都市センターイベントホール(八王子市旭町)で3月8日、古くから料亭街などが集まる花街として発展した八王子・中町地区から花街におけるまちづくりを考える「桑都八王子・中町花街イベント『黒塀に柳が映える花街まちづくり』」が開催される。
新潟大学工学部岡崎篤行教授が代表を務める「花街空間研究会」が主催する同イベント。中町地区は、料亭街としての街並みを復興させる取り組みを東京都が「江戸東京・まちなみ情緒の回生事業」として認定。花街のころの黒塀が復活したことでも知られる場所で、今回はその中町地区から全国の花街について知ってもらおうとイベントが企画された。
当日は第1部として「花街のまちづくり」と題したシンポジウムを開催。花柳界に詳しく、「お座敷遊び」(光文社)などの著作を持つ浅原須美さんを招いて行う基調講演「昭和を生きた芸者たち そして八王子花柳界奇跡の復活」のほか、中町地区の花街空間や景観、まちづくりに関する研究報告、トークセッションなども実施。八王子芸者衆が舞を披露するほか、18時からの第2部では約1時間にわたり、実際に中町地区を歩いて見て回る「中町花街のまちあるき」を行う。
個性的なまちづくりのためには「花街の価値や魅力に国民、市民が共感し、地域社会として支えていくことが重要」と同会。中町地区については、「黒塀の景観整備が地元主導で進められるなど、地域社会が花街を支える動きが見られる貴重な事例」としたうえで、3月7日には八王子市の文化施設「いちょうホール」(本町)で八王子の芸妓(げいぎ)衆が一堂に会して踊りを披露する初めての試み「八王子をどり」が開催されるなど「花柳界そのものも活発」と評価する。「中町花街の取り組みを起点に全国の花街の現状を把握し、その価値や魅力を発信するためのイベントを企画した」とも。
開催時間は14時~19時。参加費は、第1部=500円、第2部=無料。定員は、第1部=200人、第2部=30人で、それぞれ事前の申し込みが必要。応募締め切りは2月25日。