金属加工会社「アートビーム」(八王子市中野山王1)が12月24日、家庭向けの恐竜型ストッカー商品「カタヅケザウルス」を開発したと発表した。
1987(昭和62)年創業の同社。精密金属の板金加工などを主力事業に、試作品や特注品製作などメーカー向けに事業展開している。今回は自社初開発品として段ボールなどを片付けるストッカーを自社初開発した。
同商品には、サイズごとに商品展開を用意し、一部の商品には段ボールを束ねやすくするため本体に事前にひもを通しておくための穴を開けるなど加工を施した。
用途に応じて異なる恐竜の外見をデザインに採用。大きな段ボールなどはブラキオサウルス、雑誌や書籍はティラノサウルス、手紙や封筒などはプテラノドン、雑誌・新聞などはトリケラトプスにした。クラウドファンディング向けに、トリケラトプスはより小型で色違いの物も用意した。
同社は現在、商品を販売するためのプロモーションの費用に充てようと目標金額を10万円に設定したクラウドファンディングを行っている。各商品のほか、全商品をセットにした「オールスターセット」を返礼品に設定する。昨年12月24日からクラウドファンディングサイト「GREENFUNDING(グリーンファンディング)」で受け付けを始めたところ、1月中旬に目標を達成。1月24日まで支援を受け付けている。
同社は2023年に東京都が主催し日本デザイン振興会(港区)が企画・運営する「東京ビジネスデザインアワード」に参加した。今回は同社に事業提案を行ったデザインスタジオ「オクノテ」と手を組み共同で商品を開発した。
同プロジェクトの運営を手がけるアートビームの新井寛昭さんは「メーカーの状況によって売り上げにも波がある。動いていない機械もあり、ないときにも何かしたほうが良いのではとずっと思っていた。デザイナーに考えてもらうのもありではないかと思い、金属の表面加工処理技術で東京ビジネスデザインアワードに参加した。ほかの人とは違うアプローチのものを提案していただき面白かったこともあって、『オクノテ』と組むことにした」と話す。
商品開発は昨夏から始めた。「デザイナーには最初から製品を作って、『B to C』のビジネスをやりたいと言っていた。板金を使って何かやろうといくつか提案をいただいた。その第1弾として今回の『カタヅケザウルス』ができた。最初は恐竜の骨を意識したデザインだったが、板金の図面を書く職人などとも相談し今の形になった。従業員からアイデアを募集する中で、いろいろな恐竜の物も見たいとなり、商品展開が広がっていった」と新井さん。
「『かわいい』『家に一体お迎えする』といったコメントをいただいた。このデザインを喜んでくれる人がいるのは作った側としてはうれしい。一番のターゲットは一般家庭。保育園や小学校などお子さんがたくさんいるところでも、みんなで楽しく片付けをしてもらえる物として使ってもらえたら」と新井さん。
「従業員も自分たちで考えたものが形になったことで、すごく喜んでくれている。販売するウェブサイトができあがったら従業員が作りたいアイデアを実際に形にして、いろいろな物を売っていけたら」とも。
サイズは、ブラキオサウルスが横=約72センチ、高さ=約60センチ、幅=約23センチ、ティラノサウルスが横=約29センチ、高さ=約29センチ、幅=約15センチ、プテラノドンが横=約21センチ、高さ=約13センチ、幅=約8センチ、トリケラトプスが横=約48センチ、高さ=約21センチ、幅=約17センチ、クラウドファンディング向けのトリケラトプス=横=約36センチ、高さ=約17センチ、幅=約13センチ。
価格は、ブラキオサウルス=1万7,000円(超早割=1万4,000円、早割=1万4,500円)、ティラノサウルス=1万100円(同8,300円、8,700円)、プテラノドン=7,700円(同6,100円、6,400円)、トリケラトプス=1万円(同8,200円、8,600円)、クラウドファンディング向けのトリケラトプス=8,700円(同7,100円、7,400円)。