日野自動車、来年の「ダカールラリー」参戦発表-被災地からもメカニック選出

来年の「ダカールラリー」に向けて気合を入れる「日野チームスガワラ」のメンバー

来年の「ダカールラリー」に向けて気合を入れる「日野チームスガワラ」のメンバー

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 日野自動車(日野市日野台3)は10月18日、2012年1月1日からアルゼンチン・マルデルプラタを起点に開催されるレース「ダカールラリー2012」への参戦を発表した。

レースカーは8年ぶりに新開発

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 1979(昭和54)年に「パリダカールラリー」としてスタートした同レース。同社の創立50周年を記念に、1991年に日本のトラックメーカーとして初めて参戦。政情不安で中止となった2008年を除き、全てのレースで完走を果たしている。今年はブエノスアイレスを起点に9458キロを走破。トラック部門総合9位、排気量10リットル未満のクラスでは優勝の記録を残した。

 来年の参戦に向け、同社では走破性能や冷却性能の向上を目的に、8年ぶりにレーシングトラックを開発。同社の中型トラック「日野レンジャー」の4輪駆動型をベースに、乗客が休むためのベッドの廃止や化学繊維製のほろの採用などで約300キロの軽量化を図った。今後5年間かけてブラッシュアップを続けていくことにしており、レースにはこれまでの車と合わせて2台で挑む。

 ドライバー、ナビゲーター、メカニックなど「日野チームスガワラ」のメンバーのほか、広報スタッフなどを含めた11人でレースに挑む。ほかのチームではメンテナンスへの対応もあり大人数で参加するところも多いが、「彼らはプロ。通訳なども設けず少人数で対応できる」と同社広報担当者。メカニックは全国の同社営業所で働く整備士などを対象に公募を実施。メンバー最年少の31歳で参加することになった仲田昌宏さんは「夢の舞台であるダカールに参加できるということで、全力で車をサポートしていきたい」と意気込みを語る。

 メンバーの中には、東日本大震災の被災地である宮城県石巻市の営業所で整備士として働く稲葉勇哉さんの姿も。9月からレースへ向けた準備のため東京に単身赴任中。このため、復旧作業が終わり今月11日から営業を再開した「新しくなった営業所はまだ見ていない」と稲葉さん。来週には石巻に戻り、1カ月ほど通常勤務に就いた後、12月上旬にアルゼンチンに向かうという。「全国からたくさんの支援を頂いたので、その人たちに元気で頑張る姿を見せたい。できるだけ明るいニュースを持って帰れるように頑張りたい」とメッセージを残した。

 来年正月から始まるレースではアルゼンチン・マルデルプラタからペルーのリマまで、15日間かけて1万キロを北上。初日から30キロ程度の砂浜が続くなど、「リタイアが出るようなものが用意されている」と2号車ドライバーの菅原照仁さん。「今までで難易度が一番高いのではないか」とも。「難しいコースは大歓迎。力が出せる」と意気込む。

 20年連続で参加するチーム代表で1号車ドライバーの菅原義正さんは今年70歳。次男の照仁さんと親子で戦いに挑む。「1500人くらい出る中でも最年長だと思う」と菅原さん。「これまで世界チャンピオンに勝負を挑んで一度も負けていない。今回もやっつける。ぜひ見ていてほしい」と強い決意を明かした。

 レース期間中、同社ホームページで現地からのリポートを随時掲載する予定。

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