八王子市郷土資料館(八王子市上野町)で現在、市内で行われた発掘調査の際の出土品を一般に公開する「八王子市の発掘成果展」が行われている。
市では区画整理や道路工事などの際、遺跡と思われる場所については試掘を行った上で調査を実施。今回は2009年4月~昨年3月に行われた調査で発見されたものを対象にまとめた。「速報のようなかたちで展示するのは今回が初めて」と市教育委員会文化財課の担当者。
展示するのは縄文時代以降の土坑などの残りをはじめ、2期にわたって調査が行われた打越小ザス遺跡(打越町)のほか、桜田遺跡(散田町)、平塚遺跡(同)、国の史跡でもある八王子城跡の4カ所で出土したもの。桜田遺跡、平塚遺跡では市内で初めて弥生中期以降の住居跡が見つかっており、今回はその様子なども展示する。
目玉は打越小ザス遺跡で見つかった中世時代の供養塔として知られる石碑「板碑(いたび)」や鉄でできた小型の鐘。どちらも調査終了後、保存処理などを行った上で展示することにした。「展示終了後は収蔵室で保管する。次の公開は今のところ決まっていない」と担当者。このほか、平安時代のおわんの一部や縄文時代の土器、石器なども公開。下恩方町が「鍛冶発祥の地」として知られる日本刀「下原(したはら)刀」など市の文化財も合わせて紹介している。
開館時間は9時~17時。毎週月曜と7月4日・5日は休館。入場無料。7月15日まで。