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C級グルメ「パンカツ」の作り方動画公開 日本パンカツ協会、外出自粛受け制作

ユーチューブで公開された動画の1シーン

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 「八王子のソウルフード」とうたうパンカツを広める活動を行っている「日本パンカツ協会」が4月15日、自宅でパンカツを調理する動画をユーチューブで公開した。

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 パンカツは、食パンの表面に水で溶いた小麦粉を付け、そこにパン粉を付けてラードで焼き上げた後、ソースをかけて仕上げる食べ物。戦後の食料不足の時代にパンをカツに見立てて生まれたとされ、八王子では駄菓子屋などで販売されていたという。現在でも市内の飲食店で提供されており、このパンカツを地元の「C級グルメ」として広く一般に普及させようと、有志らが2013(平成25)年に同会を結成した。

 今回は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を防ぐため、外出自粛が呼び掛けられていることを受け、ホットプレートを使って、自宅でのパンカツを作り方をまとめた動画を制作した。会長を務める「パンチョK」ことカトウ洋品店(八王子市八日町)の加藤一詞さんは「家にいることが増える中、『パンカツ』という不思議な名前の食べ物を家庭で焼いて楽しんでもらおうと思った」と企画した経緯を明かす。SNSを活用して準備を進め、感染対策を図りつつも、10分ほどで撮影は終えたと振り返る。

 同会設立後、さまざまなメディアでパンカツが取り上げられてきたこともあり、「今年の正月、大たこ揚げ大会に呼ばれて行ったところ、見物されている皆さんに知られていて、思っている以上に人気がありびっくりした」と加藤さん。「パンカツというネーミングが親しみやすく、そこから会話が広がるのでは」とも。

 「パンカツは戦後の急成長の波に飲み込まれ次第に忘れ去られてしまった」としながらも、「日本の成長とともに消え去り、そして年月を経て復活を果たした。八王子の極小エリアのパンカツは、苦しい時代に産声を上げ、昭和、平成、令和と生き抜いてきた」と加藤さん。

 このパンカツの歴史を踏まえて、現在の状況を「憎むべきは新型コロナウイルスであって、ほかの何物でもない」とした上で、「この苦しさを乗り越えれば、今まで以上の笑顔あふれる時が遠からず戻ってくると信じている。自粛によってさまざまな状況で苦しんでおられる方も多くいると思うが、自粛の今だからこそパンカツを焼き、広がり過ぎていた人間関係以上に、小さな家庭を楽しむ時間にしてもらえたら」と話す。

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