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八王子の老舗スタジオが23年の歴史に幕 ライブハウス支援でアルバムも

今月末まで23年の歴史に幕を閉じる「リンキィディンクスタジオ八王子1st」

今月末まで23年の歴史に幕を閉じる「リンキィディンクスタジオ八王子1st」

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 八王子駅近くのヨーロービル(八王子市三崎町2)にある「リンキィディンクスタジオ八王子1st(ファースト)」と、フリースペース「楽廊(がろう)」が12月末をもって営業を終了すると発表された。

12月5日からオムニバスアルバムの配信も開始

 ライブハウス「MatchVox(マッチボックス)」「八王子RIPS(リップス)」などもある同ビル。1997(平成9)年5月、4階に練習やレコーディングなどに使うことができるスタジオとして、「リンキィディンクスタジオ八王子1st」が開業。現在は5部屋のスタジオを設けている。その後、事務所の移転に併せ、2019年6月から3階の一部をフリースペースとして一般に貸し出していた。

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 ライブハウスなどの店長も務める奥泰正さんが11月30日、ツイッターなどで「ヨーロービルの3F、4Fを返す事となりました」「悔しいですが、負けない!ライブハウス守ります!」(以上、原文ママ)と発表。スタジオについては、同ビル裏で8部屋のスタジオを設けている「リンキィディンクスタジオ八王子2nd(セカンド)」(三崎町)に統合することになったと明かした。ツイートは、100件超のリツイートがされるなど反響を呼んでいる。

 利用客の減少など新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けているという。「コロナ禍になってから、スタジオもライブハウスも売り上げが下がっている」と奥さん。「八王子は学生の街。学校からサークル活動が禁止されている今、軽音楽サークルは、ライブだけでなくスタジオワークも部活動に入るとして、練習すら動いていない。文化祭もなく、それに合わせた練習もなかったので、打撃が大きかった」とも。

 これまで多くのミュージシャンに使われてきたスタジオなだけに、「『寂しい』『一回顔を出そうかな』など声を頂いている」と奥さん。「楽廊」についても、「1年くらいだったが、深く使っていただいた方の中には毎週利用していた方もいる。やっと軌道に乗ってきたところだが、3階、4階を手放すことでライブハウスを守った」と話す。

 「MatchVox」「八王子RIPS」へのドネーション企画として、12月5日からはオムニバスアルバム「HACHIOJI NOW Alltime」の配信も始めた。同アルバムは、八王子と関わりの深い58組のミュージシャンの楽曲をまとめたもの。ロックバンド「ZIGGY」やパンクバンド「ニューロティカ」、ファンキー加藤さん、モン吉さんなどに加え、ご当地アイドルの「8princess」らの楽曲も収録する。

 ジャケットのデザインは、アイドルグループ「BiSH」のメンバーのセントチヒロ・チッチさんが担当。「マキシマム ザ ホルモン」のマキシマムザ亮君とダイスケはんによる、全曲への一言レビューなどもの企画も展開。価格は音源のみ=3,980円、どちらかのライブハウスのTシャツとのセット=5,580円、両ライブハウスのTシャツとのセット=7,180円。販売期間は1月11日まで。

 「今までいろいろな方から支援をしていただき、それで助けられてきたが、それがなくなるのが今くらいの時期だと思っていた」と奥さん。「昔、ニューロティカのあっちゃんから『有名なバンドがいっぱい出てきたら、オムニバスをやれば』と言われたことがあり、その時は無理だと思った。4月ごろ、今だったらオムニバスが作れるんじゃないかと思った」と話す。

 「僕がやりたいのはお金もうけではなく、八王子全体のフックアップや、『面白いことをやっているな』と思ってもらうこと。2人しか客を呼べないバンドから、ファンキー加藤まで入っていたら面白いんじゃないかということで、昔から今までの『オールタイム』というタイトルを付けさせていただいた」と奥さん。「節操なく楽曲が入っているので、全然聴いたことがないアーティストの曲を聴いて、『このバンドいいな』とつながっていってくれたら」と期待を込める。

 スタジオの閉店が決まったが、奥さんは「日々全力で楽しくやろうと心掛けている。できないことでぶつぶつ言うよりも、できることを一生懸命考えて、最大に楽しいことを続けていきたい」と意気込む。

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