企画展「1964東京オリンピックと八王子」の第2期が8月17日、「桑都日本遺産センター 八王子博物館」(八王子市子安町4)で始まった。
1964(昭和39)年に行われた東京オリンピックで競技開催地となった八王子をテーマにした同展。八王子市郷土資料館(上野町)の企画展として開催され、7月15日から今月15日まで行われた第1期では、当時の聖火リレーのトーチやランニングシャツ、大会役員が着ていた制服などが展示された。
57年前の東京オリンピックでは、八王子は自転車ロードレースの会場として立候補した。その後、ロードレースとトラック競技の2種目が行われることになり、現在の陵南(りょうなん)公園(長房町)に自転車競技場が建設されたほか、選手村の分村も作られた。今回の企画展では、当時、八王子で開催された自転車競技に関する資料も紹介しており、日本チームの競技用自転車などが展示された。
第2期では展示物の一部を入れ替えた。当時行われた2人乗りで戦う競技用のタンデム自転車や、オリンピックの後、1964(昭和39)年11月に行われたパラリンピックの公式ポスター、作業員の制服などを新たに展示した。大会を支えた市民の活動にまつわる資料として、ボランティアなどに送られた委嘱状や腕章なども飾る。
今回の企画展について、「再びオリンピックが東京で行われる本年、開催期間に合わせて、聖火リレーや自転車競技、大会を支えた市民の活動を伝える資料など、57年を経て今なお感動を伝える開催地ならではの貴重資料を展示・公開している」と趣旨を説明する。
八王子市郷土資料館の小林央さんは新たな展示について、「パラリンピックが開催されるので、1964年のパラリンピックのポスターを2種類展示した。当時は『芸術展示』というものもあったので、それも紹介している。この辺りはあまり地方都市には残っていないものだと思う。ほかにも作業服や当時の組織委員会の事務局員の制服、市民は自転車競技の開催に当たって、さまざまな活動をしていたが、その様子を伝える当時の広報なども展示している」と話す。
同館は八王子駅南口の再開発ビル「サザンスカイタワー八王子」(子安町4)3階に6月12日に開館した。郷土資料館の展示室が3月末に閉室し、同館の機能を新施設へと移転するまでの間の「仮移転先」となっており、「はちはく」の愛称で親しまれている。高尾山を題材にした地域型ストーリー「霊気満山(れいきまんざん) 高尾山 ~人々の祈りが紡ぐ桑都物語~」が昨年6月、「日本遺産」に認定されたことを受け、八王子の歴史文化を紹介する博物館と位置付ける。
開館時間は10時~19時。9月12日まで。