広域八王子圏で現在、ウクライナ支援の動きが進んでいる。
東京2020オリンピックでウクライナのホストタウンだった日野市も募金箱を用意
石森孝志八王子市長は3月9日、「八王子市は、戦争において八王子空襲をはじめ、多くの市民の尊い命を失った過去があり、『世界連邦平和都市宣言』および『非核平和都市宣言』を行い、人類永遠の平和を訴えてきた。今回のロシア連邦の武力によるウクライナへの侵攻およびロシア大統領による核兵器の使用の示唆は、断じて容認できるものではない」(原文ママ)として、「ロシア連邦によるウクライナへの軍事侵攻に関する市長メッセージ」を発表した。
同日、市議会本会議では「ロシア連邦によるウクライナへの侵略に抗議し、ロシア軍の即時撤退を求める決議」を全会一致で可決した。人道支援のための義援金として、在日ウクライナ大使館へ市議会議員による「八王子市議会議員団」が10万円、日本赤十字社へ八王子市部課長会が30万円を寄付した。八王子市役所や八王子駅南口総合事務所などでは、「ウクライナ人道危機救援金」として募金の受け付けも始めた。受け付けは5月31日まで行う。
多摩市では阿部裕行市長が2月25日、「第2次世界大戦後、世界の国々の努力で築き上げてきた戦争によらない平和協調を踏みにじり、核兵器を保有する超大国が巨大な武力により主権国家を蹂躙(じゅうりん)する行動は断じて容認できない」として、1日も早い攻撃の停止と撤退を求めるコメントを発表。3月3日には多摩市議会で「ロシア連邦によるウクライナ侵攻に断固抗議する決議」が可決された。
多摩市内の公共施設では現在、日本赤十字社を通じて「ウクライナ人道危機救援金」に送るための募金箱を設置。市の複合文化施設・パルテノン多摩(多摩市落合)は、今月4日からウクライナの国旗の色である青と黄色をイメージしたライトアップを始めた。点灯は今月30日まで。
東京2020オリンピックの際には、ウクライナ空手競技チームの事前キャンプを受け入れ、ウクライナのホストタウンとなった日野市。侵攻が始まった2月24日には、大坪冬彦日野市長が「2020オリンピック・パラリンピック ウクライナ ホストタウンとして」と題したコメントを発表した。「ウクライナ空手チームは規律と統率のとれた素晴らしい方々でした。これからもスポーツ、文化、音楽など、さまざまな分野で交流を図ってまいりたいと希望しておりましただけに、選手や家族、関係者の皆さまの安否が心配です」(原文ママ)とウクライナに平穏が戻ることを祈った。
3月5日には大坪市長や日野市空手道連盟の道場生らが集まり、日野市市民の森ふれあいホール(日野市日野本町)で、ウクライナを応援するメッセージ動画を撮影した。同所は事前キャンプ会場として使われ、ウクライナ空手チームにゆかりのある場所だという。動画は今月8日にユーチューブに投稿。今後、選手団やウクライナ空手連盟、在日ウクライナ大使館などへメールやSNSを通じて情報発信を行っていくという。
日野市役所や七生支所、豊田駅連絡所では、5月31日まで募金箱を設置している。