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八王子に「東京NEO-FARMERS!」農産物直売所 メンバーが育てた野菜販売

農産物直売所を立ち上げた松澤さん(写真左)と三菅さん

農産物直売所を立ち上げた松澤さん(写真左)と三菅さん

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 東京都内での新規就農の支援などを行っている「東京NEO-FARMERS!(ネオファーマーズ)」の農産物直売所が八王子市元本郷町にオープンして1カ月がたった。

店内の様子

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 「東京NEO-FARMERS!」は、東京都農業会議(渋谷区)を通じて、都内で新規就農した人や就農を目指している人が集まる組織。今回は八王子市役所から徒歩約3分、誠光ハウジング(八王子市元本郷町3)隣に常設の直売所を開設した。オープン日は6月22日。障がい者の就労支援に取り組み、今秋から市内で農業に参入する予定の就労継続支援A型事業所「風の谷」(中野上町1)と共同で運営する店で、就労継続支援A型事業所とコラボした店は「全国初」をうたう。

 店では「東京NEO-FARMERS!」に参加している農家が育てたものや、「風の谷」が育てた農産物、加工品を販売する。現在はナスやトウモロコシ、葉物野菜、果物など多い日は約30品目を取りそろえ、販売は「風の谷」の利用者が行っている。

 2006(平成18)年から新規就農の支援を手がけ、2012(平成24)年に「東京NEO-FARMERS!」を立ち上げた東京都農業会議の松澤龍人事務局次長は「まさか直売所ができるとは思わなかった。いろいろな売り場につないでいくハブになることを考えると、実店舗を持つ意義は大きいし、非常に重要な場所。今は地元のものを食べてもらうローカル流通も重要視されている。そういうところもぜひやってもらいたい」と話す。

 販売担当の三菅龍一さんは「『東京NEO-FARMERS!』の新規就農者の野菜が集まる地産地消の店。『風の谷』で農業を始めることから、自分たちで作ったものも販売していくことになった。得意なものを集めて、1つの店にした」と話す。

 店で扱う品目は、フードロスの観点から余った農産物をどう加工するかも踏まえて取り扱っていくという。「年間の作付けを考えながら、生産者の得意・不得意を踏まえ、卸先とのコーディネートをしていく。取引をしながら欲しい物を作付けてもらうようにやっていかないといけない」と三菅さん。「地元に愛されるような、ここに来れば新鮮な野菜がある店にしたいし、八王子市内だけでなく、物流を通じてさまざまなところに持っていけるような仕組みも作りたい。販売先を増やせれば農家も強くなり、レベルも高くなるはず」とも。

 「風の谷」の栗崎竜夫社長は「宣伝も含めて看板としての店の役割はとても重要」と話す。現在、利用者には既存の耕作地の手伝いをしてもらっているが、9月以降は自らの事業として農業に取り組んでもらうという。「準備期間はあったので良いスタートが切れるはず。今、利用者とスタッフを合わせて60人以上いるが、それだけの労働力がある農業組織はなかなかないと思う。その強みは生かしたい。利益だけでなく、利用者のやりがいや達成感にもつなげていきたいし、おいしいものを育てて地域の皆さんに恩返ししたい」と意気込む。

 営業時間は水曜~金曜=10時~16時。

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