見る・遊ぶ 暮らす・働く

医療刑務所跡地「八王子駅南口集いの拠点」契約締結 大和リース、エイトら参画

鳥瞰(ちょうかん)図を持つ石森市長(左)と浮穴社長

鳥瞰(ちょうかん)図を持つ石森市長(左)と浮穴社長

  • 25

  • List
  •  

 八王子市が3月6日、八王子医療刑務所跡で進む「八王子駅南口集いの拠点」の整備・運営について、八王子ミライテラスパートナーズ(八王子市子安町)と事業契約を結んだ。

事業概要を説明

[広告]

 「八王子駅南口集いの拠点」は、2018(平成30)年に閉鎖された八王子医療刑務所の跡地を活用するもの。学び・交流・防災の3つの機能を添えた拠点として、「みんなの公園」「歴史・郷土ミュージアム」「憩いライブラリ」「交流スペース」を整備する。

 市は2015(平成27)年に「八王子医療刑務所移転後用地活用計画」を公表。2019(平成31)年に「八王子駅南口集いの拠点整備基本計画」を策定し、2021年度には土地を国と都から取得していた。

 市は事業化に当たり、公共施設の設計・建設・運営・管理などに民間の資金や能力を活用する「PFI」を採用。6日午前中に行われた市議会本会議での議決を経て、特定目的会社「八王子ミライテラスパートナーズ」と契約を結んだ。同社は大和リース東京本店(千代田区)が代表企業を務め、構成員は梓設計・熊谷組首都圏支店・三恵建設・乃村工芸社・ハリマビステム・エイト・図書館流通センター・「NPO birth」、大日本印刷などが協力企業として参画する。契約は既存施設の解体、施設設計・建設、完成後の維持管理・運営まで一体で、金額は約180億5,200万円。契約期間は2041年9月30日まで。

 「八王子ミライテラス・プロジェクト」と名付けられた今回の整備計画では、敷地面積約5万2000平方メートルの空間に、ライブラリーや交流エリア、展示・収蔵エリアなどを備えた「メイン棟」、大屋根広場などを設ける「活動展示室棟」など延べ床面積約8100平方メートルの建物を建設する。土地が傾斜地であることを生かして、「冒険の山」「未来の山」など8つの山と「みんなの広場」「コミュニティー広場」「芝生広場」の3つの広場も造る。

 活動展示室棟には、今年1月に「にっぽん文楽プロジェクト」(新宿区)から譲り受けた、ヒノキ造りの組み立て舞台を常設し、伝統芸能や市民活動の発表の場として活用する。施設の核と位置付ける「SPOT HACHIOJI(スポット八王子)」は、地元特産品や名物の創出などを担うほか、絵本を載せた車を走らせる「公園内どこでも図書館」、レストランの誘致、音楽ライブやワークショップといったイベントの開催などさまざまな事業にも取り組む方針。

 1878(明治11)年に「神奈川県監獄八王子支署」が設立、1895(明治28)年に現在の場所に移転して以来、100年以上にわたって刑務所があったことから、石森孝志八王子市長は「長い間、迷惑施設として閉ざされた空間だった。そこにこれだけ素晴らしい施設ができるわけだから、八王子市民の多くが大きな期待を寄せている」と話す。

 「この事業は本市にとっても最重要の大型プロジェクト。私にとっては市長就任当時から公約の一つだった。事業がいよいよスタートするのは大変うれしい。目的である市民のサードプレースを実現するため八王子らしい事業内容として取り組んでほしいと要望していた。八王子の将来のシンボルになり得る提案をしてもらったと思う。私も完成するのが楽しみ」とも。

 八王子駅南口から約800メートル、徒歩約10分と駅から離れており、高低差も約10~30メートルあることから、石森市長は「徒歩で行ける距離ではあるが、アクセスは以前からの課題。歩道も狭いし坂道でもある。それをどう改善していくかはこれからになる。誰もが立ち寄れるようしっかり考えていかないといけない。出来上がるまでにはしっかりと実現していきたい」と話す。

 開業後も15年間にわたって市と共に施設を維持管理・運営することになる八王子ミライテラスパートナーズの浮穴浩一社長は「本事業にはそれぞれの業務に実績が豊富な企業が参画している。八王子市内の企業ともしっかりと連携していく。この施設が八王子のシンボルとなり、シビックプライドの醸成、貢献するものになるよう私たち参画企業が一丸となって取り組んでいく」と意気込む。

 開業は2026年10月予定。

八王子経済新聞VOTE

「八経」こと八王子経済新聞に期待する記事は?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース