国土交通省関東地方整備局相武国道事務所(八王子市大和田町4)は10月9日、八王子駅周辺にあたる甲州街道(国道20号)の景観改善に向けた具体案を決定した。
対象となるのは駅からの道と交差する「八王子駅入口交差点」から「追分町交差点」までの約2キロメートル。同事務所は対象となった区間について「八王子市の中心市街地を通過する甲州街道は古くから八王子市の顔の一つとして位置付けられているが、道路標識や照明灯、電柱などが乱立しており、沿道建物や屋外広告物などについても道路景観との調和が不足している」と説明する。
そこで今年2月、政策研究大学院大学の篠原修教授を議長とした「八王子駅周辺甲州街道景観形成検討会議」を立ち上げ、同事務所のほか東京都南多摩西部建設事務所、八王子警察署交通課、八王子商工会議所、市まちづくり計画部なども参加し議論を開始した。議論の中では「道路景観の関係者が一堂に会するこのような会議をもっと早く開催するべきだった」といった意見もあったという。
景観の改善と併せて問題になったのは、毎年8月に行われ、約60万人が集まる「八王子まつり」の際の山車の運行。「文化財に指定された山車が信号や標識などで巡行の支障になっている。改善を検討してほしい」といった意見のほか、「来年の八王子まつりに向け、山車の引き回しに支障となる道路標識の小型化を」と早急な対策を求める声も出た。
これらの意見を踏まえて同会議は対象となった区間で現在バラバラとなっている歩道舗装材や横断防止柵の色、形を統一することを決定。また、来年の夏までに一部区間で電線の地中化や両サイドにスペースが必要な「門柱型」から看板側のスペースだけで済む「F型」への標識の更新など、山車の通行の妨げるものの改善を行うことにした。
「(来年の八王子まつり開催時までに)山車の通行空間を確保する」と同事務所。