特定非営利活動法人ADDS(所在地:東京都杉並区、共同代表:竹内弓乃・熊仁美 、以下ADDS)は、パートナーシップを締結しているサッカークラブ「Criacao Shinjuku」(本拠地:東京都新宿区、株式会社Criacao代表取締役社長CEO:丸山 和大、以下、クリアソン新宿) と連携し、JFL 第5節が行われた9月27日(日)のMUFGスタジアム(国立競技場)において、 感覚特性に配慮した「センサリールーム」の運営、および発達障害の1つである自閉スペクトラム症の感覚の特異性を疑似体験するプログラム「ダイエク」(Diversity Experience) を実施いたしました。
本取り組みは、当事者や家族からのニーズ調査、発達支援の専門的知見、ボランティアのホスピタリティを融合させることで、障害の有無に関わらず誰もが安心してスポーツ観戦を楽しめる「ユニバーサルなスタジアム」の実現を目的としています。
■ ADDSの取り組み内容
スタジアム特有の大音量や歓声、人混みや視覚的な刺激は、感覚過敏などの特性のある当事者やその家族にとって観戦の大きな障壁となる場合があります。
これらの課題を解決し、「誰もが主役になれるインクルーシブなスタジアム」環境を創出すべく、ADDSでは、下記の取り組みをクリアソン新宿と連携し、継続的に行っています。
お子さんが安心して観戦できるよう、環境整備された観戦ルームを今回もご用意いたしました。
今回から、初の試みとして公募枠を募り、個室4部屋+アクティブルーム1部屋の合計5部屋を、小学生から高校生までのセンサリールームを必要とするお子様6名とご家族様・介助者様11名様の計17名様にご利用いただきました。

アクティブルーム

個室センサリールーム

個室センサリールームからの眺望
■センサリールームの設計・準備
当日、お子様やそのご家族様、介助者様が安心して過ごせるよう、準備を進めてまいりました。
行動分析学に基づく発達支援を専門とするADDSのスタッフが運営を担い、ADDS学生部(※1)をはじめ、さまざまな立場や専門性を持つボランティアスタッフが協力して活動を支えました。
前回に引き続き、当事者や家族のニーズを事前にヒアリングしたうえで、丁寧に検討を重ね、環境整備の構築に取り組みました。
具体的な環境整備は下記のとおりです。
1.感覚刺激の調整:
各家庭ごとに使用できる個室を設置し、音や人の混雑を減らして落ち着いて過ごせる環境を整えました。
また、ヨギボーやスヌーズレン(穏やかな光と空間)を用いた「リラックスエリア」と、身体を動かせる「アクティブエリア」をゾーニング。
お子さんの状態に合わせて、個室でゆったり休みながら観戦したり、お部屋を自由に移動してリフレッシュしたりできるよう、お子さん一人ひとりにあった過ごし方を選択できるようにしました。
これにより、お子さんとご家族が無理なく、安心して観戦できる空間となりました。
2.視覚支援ツールの導入:
前回に続き、選手の顔写真ボードやルール解説ボードの貸し出しなど、専門的知見に基づいた視覚支援を行い、お子様の状況に合わせた観戦体験を提供いたしました。
3.フード・グッズデリバリーサービスの導入(※2):
クリアソン新宿の発案のもと、スタッフが観客席までフードやグッズをお届けするデリバリーサービスを初導入しました。 「人混みが苦手で座席を離れられない」「移動にハードルがある」といったお子様やご家族様にも、スタジアム観戦の醍醐味を存分に味わっていただくための試験的な取り組みです。
当日はユニバーサル・パスにてご来場の複数のお客様からご注文をいただき、誰もが楽しめるスタジアムづくりに向けた手ごたえを得ることができました。
※1 特定非営利活動法人ADDSの学生団体。
※2 ユニバーサル・パスご利用者が対象。
また、センサリールームには、クリアソン新宿のクラブリレーションズオフィサーである森岡隆三さん(元サッカー日本代表)や、ゲストの乙武洋匡さんにもご来室頂き、誰もが楽しめる観戦の環境整備を体感いただいたとともに、実際のご利用者様との交流の機会をいただきました。

乙武洋匡さんとADDS代表の熊

センサリールームご利用者様と森岡隆三さん
■参加者の方からの感想
参加者アンケートに回答してくださった7名様のうち、2名様が「まあまあ満足している」と回答し、5名様が「とても満足している」と回答してくださいました。
「普段はどこかに走り回って追いかけるのも大変だけれど、ここ(センサリールーム)」では、みなさん(専門スタッフ)に見てもらえるから親も安心して楽しめます」
「子供2人が障害児で1人が多動のため、地下駐車場を利用させていただけたこと、ボランティアさんがついてくださったことで普段夫婦だけでは人手不足で難しいことが少なくないのですが大変助かり、精神的にも救われました。」
「たくさんのスタッフの方々のご尽力でセンサリールームを使用させていただくことができたと思います。また、サッカーだけではなく様々なスポーツの観戦やコンサートで常設されるような世の中になって欲しいなと思いました。」
※一部抜粋
「ダイエク(自閉スペクトラム症疑似体験)」(Diversity Experience)は、自閉スペクトラム症にみられる感覚の特異性を疑似体験できる体験プログラムです。
当日は、1.事前応募の参加希望者、2.当日のユニバーサル・パス ボランティア参加者 に対して、国立競技場の実際の環境下で体験会を行いました。

専用メガネと集音器を装着した参加者様

ダイエク・ツアーでセンサリールームを訪問

参加者による感想共有会

参加者の集合写真
■ツアー概要
集音器とADDS特製メガネを装着して、MUFGスタジアム(国立競技場)にある「カームダウンスペース(※3)」と「センサリールーム」をツアーします。
実際に感覚の特性によるものの見え方や音の聞こえ方を疑似体験していただくことで、当事者の感じ方や困りごとへの理解を深めることを目的としています。
※3 「カームダウンスペース」:音や光などの刺激から離れ、パニックや気持ちの不安を落ち着かせるための静かな空間。MUFGスタジアム(国立競技場)をはじめとした複数のスタジアム・競技場において設置されています。
なお、MUFGスタジアム(国立競技場)では、1階コンコースに5箇所設置されています。

集音器と専用メガネ
■参加者の方からの感想
「これから(当日)ボランティアをするうえで、どのように接したらよいかが体験出来てよかった」
「集音器とメガネのどちらもつけるのはしんどく感じた」
「普段と変わらない環境でも、(専用)メガネを付けていると人や物との距離感が分からなくなったり、自分に向けられている声を拾うことが難しかった」
わたしたちについて
当法人は、クリアソン新宿様との実りある協働を通じて蓄積された数々の知見を礎とし、障害の有無にかかわらず誰もが安心してスポーツ観戦を楽しめる
インクルーシブな「場と機会」の創出、ならびにその普及へ一層邁進してまいります。
■特定非営利活動法人ADDSについて
「発達支援が必要なすべての人が自分らしく学び、希望をもって生きていける社会をともに実現します」というミッションを掲げ、エビデンスに基づいた早期療育の普及や、研究開発、支援者育成、社会啓発活動に取り組んでいます。
■クリアソン新宿について
「Enrich the world.」を掲げ、サッカーを通じて感動を創造し、人々の心を豊かにすることを目指す、東京都新宿区をホームタウンとするサッカークラブです。
【本件に関するお問い合わせ先】
特定非営利活動法人ADDS 事務局 Email:advanced@adds.or.jp