プレスリリース

令和8年度 第42回素形材産業技術賞「奨励賞」を受賞

リリース発行企業:株式会社マクルウ

情報提供:

□要点
株式会社マクルウ(本社:静岡県富士宮市、代表取締役:安倍雅史)は、一般財団法人素形材センター主催の令和8年度 第42回素形材産業技術賞において、「奨励賞」を受賞しました。受賞技術は、東京大学との共同研究で開発した「ダイレス引抜きと冷間引抜きの一貫加工によるマグネシウム合金細管の革新的加工技術」です。表彰式は本日執り行われました。

□本文
株式会社マクルウ(本社:静岡県富士宮市、代表取締役:安倍雅史、以下、マクルウ)は、東京大学生産技術研究所(東京都目黒区、所長:年吉 洋)古島 剛研究室(以下、古島研。専門分野、変形加工学。)との共同研究により、ダイレス引抜き加工と冷間引抜き加工を組み合わせたマグネシウム合金細管の一貫加工技術を開発しました。本技術は、台湾SG biomedical Co., Ltd.(本社:台湾新竹県、董事長:呉建興、以下、SG biomedical)が開発中のシャント造設術(AVF)用生分解性ステントの素材として、オーダ化成株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:積山修也)を通じて継続供給されています。
本技術の開発は、古島研が有するダイレス引抜き加工に関する研究成果および技術的ノウハウと、マクルウの冷間引抜き加工技術をもとに、令和4〜5年度 静岡県医療機器産業基盤強化推進事業助成金を活用して行われました。

(図1)ハイブリッド加工による工程イメージ


(図2)マグネシウム合金精密細管の現物(外径3.0mm × 肉厚0.25mm)

□受賞概要

□受賞技術の概要
マグネシウム合金は、比強度が高く、生分解性と生体安全性に優れることから、生分解性医療機器の素材として広く注目されています。一方、血管内で用いられるステントには外形3mm以下の精密細管が必要ですが、マグネシウム合金は塑性加工が困難で、冷間引抜きの可能減面率が他金属に比べて著しく低いため、精密細管の安定的・経済的な供給が大きな技術課題でした。
本技術は、ダイレス引抜き加工(材料を急加熱して引抜き、塑性変形により大きな減面率で断面を縮小する加工法)の大減面性と、冷間引抜き加工の寸法精度・表面精度を相補的に組み合わせた一貫加工プロセスにより、この課題を解決しました。汎用押出し加工設備で製作した母材から、ダイレス引抜き加工で一気に小径化・薄肉化した後、冷間引抜き加工により寸法精度と表面精度を仕上げます。

□技術上の特色
従来技術(冷間引抜き単独想定)と比較して以下の効果を実現しています。
・ 工程数:約1/3に集約(67%削減)
・ 加工エネルギー・CO2排出:約67%削減(工程数にほぼ比例)
・ 設備投資:特殊設備への新規投資を要さず、既存の汎用押出し設備を活用

□実用化の現状
本技術で加工したマグネシウム合金細管は、SG biomedicalが国立台湾大学病院(NTUH)と共同で開発を進めるシャント造設術(AVF)用生分解性ステントの素材として、評価用に継続供給されています。SG biomedicalは、現在50%の手術成功率を70%以上に引き上げることを目標として動物実験を進めており、今後は臨床試験も計画されています。

(図3)開発中のシャント造設術用生分解性ステント(評価用サンプル)


(図4)ダイレス引抜き加工装置(東京大学古島研)

□今後の展開
マクルウは、本技術を活用したマグネシウム合金細管の提供を通じてSG biomedicalのステント開発に寄与するとともに、本技術で培った引抜き加工技術を棒材・ワイヤー材にも応用し、骨接合材・整形外科インプラント等、さまざまな生分解性医療機器への素材供給を目標とした事業を推進していきます。

□素形材産業技術賞について
素形材産業技術賞は、一般財団法人素形材センターが素形材産業の技術開発振興を目的として毎年実施している表彰制度であり、素形材分野における優れた技術開発成果を表彰するものです。奨励賞は、将来性が期待される優れた技術開発に対して贈られます。

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