JR八王子駅北口広場(マルベリーブリッジ)に6月25日、地元商店会と大学生のコラボによる七夕飾りが登場した。
北口・旭町地域内の商店らによる「八王子駅北口商店会」が主催し、2006(平成18)年から行われている七夕飾り。マルベリーブリッジはJR八王子駅の自由通路と駅北口の間をつなぐペデストリアンデッキで、毎年七夕を挟んだ6月末から7月上旬にかけて絹の布をイメージしたモニュメントの周りに飾り付けを行っている。
今年は創価大学(八王子市丹木町)西川ゼミと同大美術部、創作部などが協力。学生が描いたというイラストや「新型コロナウイルス、八王子パワーで乗り切ろう!」などのメッセージを添えたボードも合わせて展示されている。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、観賞のために人が集まることを避けようと例年に比べて飾り付けの規模は縮小。同会の清水栄会長は「試行錯誤の結果、離れていても見ることができる、そしてSNSでも発信しやすく、お子さんからお年寄りまで親しむことができる絵を展示することにした。すてきな絵を描いていただける方を探し、美術部、創作部の方の協力をいただいた」と話す。
「計画した時は緊急事態宣言の最中だった。何とかこの窮地を乗り越えて、みんなで頑張っていこうという気持ちを絵に表現していただいた」と清水さん。イラストの中には疫病を払うとされる妖怪「アマビエ」と合わせて感謝の言葉が描かれており、「最前線で働いておられる医療従事者、物流、物販などの方をはじめ、苦境でありながらも尽力している全ての皆さんに向けたメッセージが込められている」とも。
大学が再開されておらず、八王子にいなかった学生も多かったことから、オンライン上で議論を積み重ねたという。清水さんは「メールやLINEでやり取りをしたが、お互い分かったつもりでいたのに、ニュアンスが違っていたことがあった。話をすればひと言で済む確認が何回やり取りしてもずれていることもあった。話し言葉では強調したい点、確認点などを端的に知らせられるが、メールだと伝わらないと実感した。最終的には絵や画像で表現した」と振り返る。
企画に参加した創価大学西川ゼミのメンバーは「毎年、マルベリーブリッジの七夕の短冊を飾るのを楽しみにしていた。新型コロナウイルスの影響で、創価大学は春季授業がオンラインになってしまい、ゼミ生も福井、富山など全国から授業を受けているが、早く八王子の街に帰りたいと願っている。安心して八王子の街中に行けることを願って、みんなでキャッチコピーやイラストを準備した。八王子駅周辺を利用している人たちがみんなでこの状況を乗り越えられるよう、そして優しい気持ちになれるようイラストを描いた。どうか集まらず、距離を取って見ていただければ」と話す。
七夕飾りは7月8日まで展示し、その後は、第2弾として夏をテーマにした飾り付けを8月末まで行う予定。例年、七夕飾りの後は、8月の多摩地区最大の山車(だし)まつり「八王子まつり」に向けた飾り付けを行っているが、「今年は八王子まつりも中止になったので、飾り付けもなく寂しい状況になる可能性があった。そのため、七夕の後に夏飾りを付けることで、八王子を元気にしたい、みんなで頑張ろうという気持ちを込める」と清水さん。
「今回の新型コロナウイルスでは、地元商店会のみならず、全ての市民や事業者の皆さんが苦労なさっていると思う。大変な日常で忘れがちな季節を七夕飾り、夏飾りで感じていただきながら、学生からの元気のエールを感じていただきたい」とアピールする。