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工学院大学八王子キャンパスで学生が養蜂 蜂蜜からオリジナルハンドクリームも

「みつばちプロジェクト」の堂之下さん(写真左)、山本さん、内堀さん(同右)

「みつばちプロジェクト」の堂之下さん(写真左)、山本さん、内堀さん(同右)

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 工学院大学八王子キャンパス(八王子市中野町)で養蜂を行っている学生プロジェクト「みつばちプロジェクト」が7月17日、採集した蜂蜜を使ったオリジナルのハンドクリーム「KUTE Honey(キュート・ハニー) ハンドクリーム」を企画・開発したと発表した。

完成したハンドクリームや入浴料、ハチミツを手にする内堀さん

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 同プロジェクトと同じく学生プロジェクト「Science Create Project」、化粧品メーカーの八重椿本舗(港区)がコラボして開発された今回のハンドクリーム。キャンパス内で育てているミツバチから採集した蜂蜜のほか、ロイヤルゼリーエキス、シアバター、ホホバオイルなどを配合しており、内容量は30グラム。3000個限定で生産し、大学関係者などを中心にサンプルとして配布している。商品化は2019(平成31)年春に、蜂蜜を使った入浴料「KUTE Honey in the Bath(イン・ザ・バス)」を開発して以来、今回が2例目。

 2012(平成24)年に活動を始め、現在は約50人のメンバーが所属する同プロジェクト。同大新宿キャンパスで都市型養蜂にチャレンジした後、八王子キャンパスでも養蜂に取り組み始めたという。代表で先進工学部3年の内堀祐香さんは「学生が多く通る場所だと難しいので、約3年前からはドミトリーの屋上で活動を行っている」と話す。「コンクリートの上だと日照りで熱くなってしまうので、それを避けるためにすのこを引いたり、直射日光を避けるためにすだれをかけたり工夫している」とも。

 今回の商品化に当たっては、昨秋から試作品を複数造りながら詰めていったという。「テクスチャーは柔らかいものがいいか固いものがいいか、香り、色合い、配合する成分は何がいいかなどを提案し、話し合いを重ねて商品化に至った。工学院大学ならではのものを出したいという気持ちがあったので、伸びが良く、ベタつかず、蜂蜜らしさを感じてもらえるようこだわった」と内堀さん。

 今後はハンドソープの商品化なども見込んでいるが、「支援をいただけないと作ることができないので、支援をしてくださる方を募る活動もしていかないといけない」と気合いを入れる。

 今年は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、活動が大きく制限されているという。「普段なら大人数で集まって巣箱の点検をするが、時間もかかるし今は長くいられない。イベントもことごとくなくなってしまった。満足な活動はできていない」と内堀さん。今季初となる採蜜ができたのは7月25日で、「新入生が入ってから一緒に採蜜をやろうと思っていたが、タイミングを逃していた。採蜜は楽しい瞬間。ミツバチが集めて来てくれたハチミツを見ることができてうれしい」と笑う。

 子どもたちに少しでも家で楽しんでもらおうと、現在は「Science Create Project」とともにオンライン上での科学教室も企画。「おうちでできる科学教室」と題した動画を制作し、ユーチューブでの公開を始めた。「ターゲットは小学生」と副代表で先進工学部3年の堂之下泰斗さん。でき上がった動画のチェックなどに関わる情報学部3年の山本竣平さんは、「子どもたちには言い回しが難しくないかなど見せ方が難しい。伝え方を学ぶきっかけにもなっている」と明かす。

 「外部のイベントに出られないからこそ、ほかの手段で私たちの活動を伝えたい」と内堀さん。今後の展望について、「科学教室のほかにも採蜜の様子も撮影して乗せていけたらいい」とした上で、「私たちの活動目標はミツバチと自然との関係を理解し、それを多くの方々に伝えていくこと。私たちが学んだことを後輩たちに資料として残していけたら」と意気込む。

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