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工学院大学ソーラーチーム、世界大会参戦迫る 10月22日から1週間

10月22日から大会に参戦する「工学院大学ソーラーチーム」

10月22日から大会に参戦する「工学院大学ソーラーチーム」

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 工学院大学八王子キャンパス(八王子市中野町)に拠点を置く「ソーラーチーム」が、10月22日から始まる世界最大のソーラーカーレース「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(BWSC)」に参戦する。

八王子キャンパス内にある「総合研究所 ソーラービークル研究センター」に拠点を置く

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 オーストラリア北部のダーウィンから南部のアデレードまでの約3000キロを走破する「BWSC」。開催は4年ぶりで、今月22日~29日の日程で行われる。

 同チームは2013(平成25)年の初参戦以来、2015(平成27)年・2017(平成29)年・2019(平成31)年の大会に出場した。5度目の参戦となる今回は「チャレンジャークラス」に出場する。7月5日に今大会の参戦車両となる新型ソーラーカー「Koga(コーガ)」を発表。8月中旬には、ソーラーカーを輸送する運搬トラック(トランスポーター)と共に、オーストラリアに向けて船便で送った。

 9月下旬からチームメンバーの一部が順次、先発隊としてオーストラリアに入った。アデレードからダーウィンまでコースを逆走し大会のルートなどを確認するほか、送った車両など荷物を受け取る予定だったが、港の混雑などで長期にわたり荷受けできないトラブルに見舞われた。10月中旬になって荷受けでき、今月19日からは大会参戦のために必要な車検などに臨んでいる。

 監督で同大機械システム工学科の濱根洋人教授は「車両発表の後、運転練習からマニュアル作りまで準備を進めてきた。4年ぶりとだいぶ時間がたっていることもあり、昔滑ったスキーのような感じで、もう1回できるのかと夢の中で不安が出てきて、太陽光パネルが飛ぶという夢を何回も見た。正夢にならないように夢に出てきたところは現地でやろうと思っている。現地ならではのノウハウもあるし、動きにみんなが慣れていくなど不安をなくすところから始まる」と話す。

 「ほかのチームの車を見ているとレギュレーションに素直になっている。私たちの車は低いし安定している。車がよくできていて、空力は今見ている中では一番。テストコースでの試走でも時速110キロでずっと巡航でき、乗っている側も怖くないという。晴れたら相当強いと思うし期待感は高い。先行逃げ切り、攻めの姿勢で行きたい」と濱根さん。

 「ほかのチームよりもクレイジーにやってこられたと思うので、それでトップでゴールしたい。なんだろうと思わせたい。3000キロを走り、ゴールを切った瞬間にはとんでもない感動が待っている。短い期間だからこそ、大事な思い出になるので、それを学生に味わってほしい」と期待を込める。

 ドライバーも務めるチームリーダーで、工学部機械システム工学科3年の中川立土さんは「高校2年生の時にたまたまチームの活動をテレビで見て知り、それをきっかけにこのチームに入った。どれだけ過酷なのかはまだ分からないが、わくわくしかない。7月の発表会からここまで一瞬だった。やっと夢の舞台に立てる。人生で一番大きな経験になるのは間違いないので、トップを目指して戦いつつ、楽しみながら成長できれば」と話す。

 今回は17人の学生がオーストラリアに集まり大会に挑む。「ものづくりが好きで、ソーラーカーで大きな経験をしたいメンバーが集まっている。チームの思いは既に固まっている。あとは一人ひとりがどれだけ自分の力を出し、チーム全体で過去の先輩に勝(まさ)れるようになれるかが勝敗を決める大きなところ。先輩からはレース中、ドライバーが下を向いたらチームは絶対悪い方向に行くと言われた。常に前を向いて、ゴールを目指していきたい」と中川さん。

 車体のキャノピーを設計し、オーストラリアではコントロールポイントを担当する同科3年の四宮穂香さんは海外に行くこと自体が初という。「私の性格的に未知の世界に行くことが楽しみでしかない。ちょっとしたアクシデントも楽しめると思う。キャノピーが飛んでしまってもそれはそれで面白いかな」と笑う。「ほぼ1年、このためだけに頑張ってきた。安全第一でゴールを迎えられたら。最後の瞬間が楽しみ」とも。

 オーストラリアでは偵察に加え、メディア対応にも当たる同科3年の正山博基さんは「オーストラリアは初めて。予想ができなすぎて実感が湧かないが楽しみ。特にレースが始まって最初の2日間は気を抜かないようにしたい。本当はドライバーをやりたかったので、次の大会のことを言うのは馬鹿らしいかもしれないが、得られるものを限界まで得て、次の大会につながる実りのあるものにしたい」と意気込む。

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