不要になった家具を美大生がリ・デザイン-八王子の家具店で展示会

東京造形大学大学院に在学する陳さんの作品

東京造形大学大学院に在学する陳さんの作品

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 市内の大型家具店「村内ファニチャーアクセス 八王子本店」(八王子市左入町、TEL.042-691-1211)で9月19日から、「不要家具の再生デザイン展」が行われる。

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 同社は市内の家具店などで構成する「家具のまち 八王子」に参加。同会は市内で家具のアウトレット店やデザイナーズ家具を扱う店が増加していることを受け、家具店同士で新たなつながりを持とうと2007年秋に自主的に結成された組織。現在、家具店のほか、家具デザイナーや製造業者などが参加し、家具店を紹介するパンフレットの配布やブログの運営など、さまざまな活動を行っている。

 今回の展示は同会の協力の下、同社と東京造形大学(宇津貫町)による「産学協同家具開発プロジェクト」が行うもの。不要となった家具を同社が引き受けたうえで、同大学大学院に在学する学生9人がデザインを行い、新たな家具として再生させる。学生の中には中国、台湾、韓国などからの留学生も含まれるという。

 同社は今春、同大学で室内建築を専門とする地主教授と「既成概念にとらわれない新しい提案家具の開発」をテーマに、新たな産学共同プロジェクトを立ち上げた。「取り組みは前期、後期に分け、前期は引き取った不要家具に新たな命を吹き込む再生デザインを行った。その前期の成果を展示することになった」と同社副社長の村内さん。

 「日本人の学生だけでなく、海外からの留学生もプロジェクトに加わることで幅の広い作品が数多くできあがった。どれも素晴らしい作品ばかり」と村内さん。中でも、中国から留学している同大学大学院造形研究科2年生の陳(ちん)さんの作品は、桐たんすの一部をくり抜いたうえで、腰掛けられるようにと座席を取り付け、移動できるようにと金属ラックの上に載せるというアイデアあふれるものに。「新旧のデザインや素材の違う家具の組み合わせで、全く違う機能を持った家具に仕上げたところが評価された」(同)。

 今回の展示でプロジェクトにはいったん区切りが付くが、「後期の取り組みとして、販売を目的とした家具開発を行う」と村内さん。「プランニング、試作、商品化とステップは沢山あるが、きっと素晴らしい商品ができる」と意気込む。「年内には一般を対象に本格的に家具をデザインし製作できる『家具作りの学校』を敷地内のログハウスで開校する」と新たな取り組みにも意欲をみせる。

 営業時間は10時30分~19時30分。今月23日まで。

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