「エコ1チャレンジカップ2022 ~中・高校生による手作り電気自動車コンテスト~」が8月27日・28日、東急自動車学校(多摩市唐木田)で行われた。
自動車技術会関東支部が協力し、会場には学生フォーミュラのシミュレーターも用意
1998(平成10)年に「バッテリーカーコンテスト」として始まり、2019年から現在の名称で行われている同大会。昨年度から東京都市大学(世田谷区)、自動車技術会関東支部、日産自動車の共催で行っている。中高生を対象にものづくりの楽しさなどを知ってもらうことを目的に据えており、参加する学生たちは自らの手で電気自動車を製作、運転し競う。
今年は現地で完成した車を実際に運転する「現地参加の部」に加え、希望するチーム向けに事前に録画した走行映像を投稿してもらい、車の性能を競う「リモートマッチの部」も用意した。現地でのレースは午前と午後で出場チームを入れ替えたほか、開会式は行わず表彰式やイベントに合わせて行う講演会などをオンラインで開催するなど、コロナ禍に配慮した形で行った。
全国から現地参加の部=11校15チーム、リモートマッチの部=3校3チームが出場した。現地参加の部では、和光学園和光中学校和光中学技術部の「和光電力ww(わらわら)」が金賞を受賞。リモートマッチの部でも、同部の別チーム「和光電力31号」が金賞を取り、同部が両部門を制覇した。実行委員副委員長を務める東京都市大学理工学部の杉町敏之准教授は「車両を作るだけでなく、最短経路をどう走るかなどにもこだわっていた」と振り返る。
9月14日には競技の様子をドローンで撮影した映像をユーチューブに公開した。各チームの車両がコースを走る姿を撮影したもので、ほかのチームの車両を追い抜く瞬間やコーナーを攻める様子などをまとめた約4分の動画になっている。実行委員で東京都市大学理工学部の伊東明美教授は「趣味でやってる人が空撮をしてくれた。学生たちも皆カメラ目線で対応してくれた。完走するとドローンに向かって手を振ったりポーズを決めたりと盛り上がった」と話す。
2020年はコロナ禍を受け開催中止、昨年はリモート参加のみとなったことから、現地での競技開催は3年ぶりとなった。「参加する学生の教育の中に入り込んでいることもあり、彼らが成果を発表するためにも、どのような形であっても開催しようと思っていた」と伊東さん。リモートでの参戦を実現した理由として、コロナ禍で人が集まることが難しい状況の中、「集まらずにやるにはそれしかなかった。結果として、東京から離れた遠方の学校でも参加できるようになり好評だった」と振り返る。
現地での競技に参加した学生からはほかのチームを見ることで勉強になったなどの声が上がったほか、「この競技に参加したくて、1年生の時に部活動に参加したけど、一昨年、昨年と参加できず、3年生になって初めて参加できたという人もいた。コロナで部活動が十分にできず、その中でなんとか車を作ったとの声もあった。やってよかった」と伊東さん。
来年以降の大会に向け、伊東さんは「まずは楽しくものづくりをしてもらうのが一番。ものづくりをする中で学生の皆さんの得られるものができるだけ大きなものになるといい。より良い大会に向け、基本のところは大切に守りつつ新たなものを付け加えていく創意工夫をしていきたい」と意気込む。