八王子市が8月25日、高尾駅の北口と南口の間を結ぶ「高尾駅南北自由通路」の新設に向けた準備を進めると発表した。
今回、市は自由通路の整備と、高尾駅の橋上化に伴う駅舎の建て替え・移転工事を進めるために必要な工事委託契約を、JR東日本八王子事業本部との間で締結するための議案を八王子市議会に提出した。総事業費は約88億8500万円。自由通路の整備にかかる約29億2500万円は、八王子市が全額負担する。駅舎の建て替え・移転は八王子市が約48億8900万円、JR東日本が約10億3900万円を負担する。
現在、高尾駅北口から南口に抜けるためには、入場券を購入した上で北口改札から駅構内に入り、跨線(こせん)橋を渡って南口改札から出るか、駅を大きく迂回(うかい)する必要がある。
市は市民から駅をまたいで北口・南口間を行き来できる自由通路の整備を求める要望を受けていた。2014(平成26)年には八王子市とJR東日本、京王電鉄の間で自由通路の整備に向けた基本協定を締結。2015(平成27)年度には自由通路と北口駅前広場の整備について都市計画決定した。
しかし、東京オリンピック・パラリンピックの開催などに伴う資材や人件費高騰を受け、自由通路の整備にかかる事業費が当初の約88億円から約150億円まで大きく膨らんだことから、2017(平成29)年に着工延期を決定。自由通路の幅員を10メートルから6メートルに減らすなど計画を見直した上で、市・JR・京王の3者間で新たな協定を締結し、2026年度以降の着工を目指していた。
今後については、2029年度に高尾駅を使用する京王電鉄との協定締結、2031年度に自由通路と新駅舎の供用開始、2034年度に整備工事完了を目指す。
高尾駅の駅舎は、大正天皇崩御の際、大喪列車を走らせるために新宿御苑(新宿区)に設置された仮停車場を現在の場所に移築したもので、1927(昭和2)年に完工した。現駅舎は保存を図る予定だが、具体的な保存場所は未定。
初宿和夫八王子市長は「長年、高尾地域に住んでいらっしゃる市民の方々には不便をおかけしていた。バリアフリー化においても課題があったが、そういった課題も併せて解決する。南北自由通路ができることで人の流れが変わる。かねて市の職員には『人の流れは街の姿を変える』と伝えているが、周辺のまちづくりに貢献できるような南北通路になることを期待している」と話す。