首都大学東京、進学目指す「理系女子」向けプロジェクト-サイエンスカフェも

首都大学東京日野キャンパスで行われた「サイエンスカフェ」の模様

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 首都大学東京(八王子市南大沢)は現在、進学を目指す女子中高生を対象に「東京理系女子探検隊プロジェクト」を進めている。

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 同大は東京都立大学、東京都立科学技術大学、東京都立保健科学大学、東京都立短期大学の4つの大学が統合し、2005年に開設。都内の八王子市南大沢、日野市旭が丘、荒川区東尾久、中央区晴海などにキャンパスを持つ。

 科学技術振興機構(埼玉県川口市)の「女子中高生の理系進路選択支援事業」の一つとして進められている同プロジェクト。「本学では、男女共同参画をはじめとした多様性の享受を意味する『ダイバーシティ』の推進を大学の重要な取り組みの一つと位置付けている」と同大学ダイバーシティ推進室の担当者。「そうした中、事業の公募があり、本プロジェクトを立ち上げて大学として申請した」。

 今年5月に同事業に採択されたことを受け、7月から本格的にプロジェクトを開始。理系分野に進んだ女性とのコミュニケーションを通して学ぶ「人を探検する」、ワークショップなどに参加することで科学の楽しさを体験する「知を探検する」、実際に企業を見学し、どのように理系の仕事が役に立っているかを見る「街を探検する」の3つを軸にさまざまな企画を進めている。

 「女子中高生の皆さんが理系進学を選択することによって、近い将来からずっと先まで、どのような面白さを味わえるかが見えるように、身近に考えることができるように特に配慮している」と担当者。

 同大のオープンキャンパスに合わせて行われた「サイエンスカフェ」では、「理系女子の大学生活」をテーマにトークを展開。「時間帯によっては立ち見も出るほどの盛況」だったという。研究内容からゼミでの活動、学会、アルバイトや休みの日の過ごし方までを学生が発表した。「質疑応答では、なぜこの進路を選択したのかなどの質問があり、航空宇宙システム工学域の学生から『小学生のころに宇宙へ行きたいと思ったから』などの率直な答えも出て会場を沸かせていた」とも。

 イベントの参加者からは「好きな勉強をし、好きな道を進んでいることに憧れを持った」「理系女子が少ないと聞いていて不安だったが話を聞いて安心した」といったコメントが寄せられたという。「このプロジェクトが理系進学への動機付けとなっただけでなく、本学自体をよく知ってもらうことにもつながったと考えている」。

 今月26日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)相模原キャンパスで見学会を開くほか、11月には同大日野キャンパスで「サイエンスワークショップ」も予定する。

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