日野で「エジソン電球」教室-竹から電球、81歳の技術者が子どもらに指導

フィラメントの材料になる竹を持ち説明する浅田さん

フィラメントの材料になる竹を持ち説明する浅田さん

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 GEヘルスケア・ジャパン(日野市旭ケ丘4)で10月21日、地元の小・中学生などを対象としたイベント「エジソン電球教室」が行われた。

段ボールやタコ糸などを材料にした電球

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 発明家のトーマス・エジソンが世界で初めて白熱電球を約40時間にわたって点灯させたとされる同日。米国では「エジソンの日」、日本でも「あかりの日」とされている。今回は同社が22日に創業30周年を迎えることを受け、新たに立ち上げた施設「エジソン・スピリット」のプレオープンイベントとして教室を開いた。

 当日は10組以上の親子が参加。現在、竹をフィラメントとした「エジソン電球」を世界で唯一製造する浅田電球製作所(品川区)社長の浅田精造さんを講師に迎え、エジソンが電球を作り上げた経緯や製造方法などについて、子どもたちにレクチャーした。開発にあたり、エジソンが試行錯誤の中からフィラメントの材料として見つけたのが京都産の真竹。「京都の土には鉄が多く含まれていて、そこで育つと竹が硬くなる」と浅田さん。当時は数年の間に600万本以上が輸出され、その竹を使った電球が日本にも輸入されていたという。

 今年で職人歴60年、81歳を迎えた浅田さん。「エジソン電球」の復元だけでなく、タコ糸や線香、ダンボール、輪ゴムなど、さまざまな素材を電球として試すなど開発意欲は衰えない。発明について子どもたちから質問されると、「『なぜかな』と思うことが大切」と浅田さん。「小さな好奇心から始まる」と優しく語り掛けた。

 その後、子どもたちは世の中が便利になるアイデアを考え出す、「私も!あなたも?エジソンになろう発明大会」に参加。がんを発見すると音が鳴る装置や羽がついた服、一瞬でお風呂のお湯が沸く機械など、さまざまなアイデアを考え出し、絵で表現した。子どもたちの説明を受けた同社執行役員技術本部長の星野さんは、「10年くらいしたら実現できそうなものあるし、実現には100年はかかると思ったものもある」とした上で、「エジソンも『1%の才能と99%の努力』と言っている。これが実現できるように頑張っていきましょう」と期待を込めた。

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