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インタビュー2015-09-30

「チーム設立時からの思いを今回の大会にぶつけたい」 工学院大学・濱根洋人准教授

 オーストラリア大陸縦断約3000キロをソーラーカーで走破する「ブリヂストン・ワールド・ソーラー・チャレンジ(WSC)」が10月18日から始まる。現在、参戦の直前準備に追われる工学院大学「ソーラーカープロジェクト」代表の同大機械システム工学科・濱根洋人准教授に、レースへ向かう意気込みを聞いた。

 2009年にスタートした同プロジェクト。2013年には、ソーラーカー「Practice(プラクティス) 驍勇」でWSCの「チャレンジャークラス」に初参戦。今回は国内大学として初めて、4輪で2人乗り以上という、より実用車に近いレギュレーションが設定されている部門「クルーザークラス」に参戦する。

■チームメンバー、満場一致で「クルーザークラス」へ

-前回大会を振り返り、率直な感想はいかがですか。
濱根 「前回大会は、2009年のチーム設立時に考案した車両運動性能を重視した車両で参戦しました。その車両は、通常のソーラーカーとは違っていて、サーキット向けと言ったほうが分かりやすいもの。このような車両で参戦したのは、約30年あるソーラーカーの歴史でスピードを求めるレースの傾向から、実用性を無視した同じような形状のソーラーカー製作が続いたからです」

-今回はクラス替えをして、クルーザークラスでの参戦となりますね。
濱根 「チームとしては大学の創造的なチャレンジとして、一から設計する醍醐味(だいごみ)を追求して、より実用性や車両本来の運動性能を求めた設計に重きを置いてきました。前回大会から、私たちが目指してきたような実用面を重視したクラス、クルーザークラスが新設されました。そこで、チームメンバーの満場一致で、今回の大会からチャレンジャークラスからクルーザークラスに移行することを即決しました。今後、ソーラーカーの主流になるのではと思っていますし、チーム設立時からの思いを、今回の大会にぶつけたいと思っています」

-現在のチーム構成はどのようになっているのでしょうか?
濱根 「工学院大学のすべての学部・学科から集まった76人の学生がメンバーとなっています。残念ながら前回大会のメンバーは含まれていませんが、先輩が後輩に技術的な指導をするなど支援をして、後輩の体制を強化してきました。メカニックや電気系の技術だけと思われがちですが、戦略を立てる戦略班に加えて、予算を集める企画班や活動状況をアピールする広報班もあります。学科や学年により授業の忙しさも異なるので、組織作りには課題もたくさんありますが強化を進めています」

■全員体制で挑む

-今回はどのようなチームで大会に挑まれるのでしょうか?
濱根 「世界大会へは全員は行けません。16人で選抜チームを作っており半数以上が低学年の学生となっています。大学は最短4年でメンバーが入れ替わりますので、後輩を育てる体制を強化しなくてはなりません。レース期間は企画からレースまでの全体のなかでは短期間ですので、全員体制で挑んでいると思っています。高校生のときにチームを見て、本学に入学してきた学生も在籍するようになりましたし、1年生でも3DCADでゆがみのない車両ボディーを描けたり、空力解析ができるメンバーも出てきています」

-今大会に向けてどのような準備を進められているのでしょうか?
濱根 「クルーザークラスは、2人乗り以上の搭乗スペースやドアの設置など、より実用性が求められます。一方、レースで勝つという要件も達成しなくてはなりません。レギュレーションが発表されてからチームが勝つための要素を研究してきました。クルーザークラスは、ただ単に約3000キロを短時間で走破したチームが勝つというのではなく、途中1回の外部充電量、複数人を搭乗させた時の距離、実用点も採点対象。設計と製作をしてみると、さまざまな工夫が必要でやりがいがあります。海外ではクルーザークラスが設置されてから新たにソーラーカープロジェクトを立ち上げた大学もある。発展の時期だと思いますが、その見本になれるように世界にアピールしてきたいと思います」

-今回は前回大会に比べると10日ほどスタートは遅くなりましたが、既に先発隊を出すなど動き始めていますね。
濱根 「今回は前回よりも早い時期にオーストラリアに入り、模擬レースをする時間を設けています。実地訓練をこなして、さまざまなレースの状況に対応するためです。昨年、秋田県大潟村で開催された『ワールド・グリーン・チャレンジ2014では、オーストラリアを想定してレースを行いましたし、レース期間中は自炊をしてキャンプ体制の強化も行ったくらいです。日本での試走から操舵(そうだ)系の強度アップなどの技術的な改良に加えて、現地に合う車両へ調整を進めていきます。また、レースがスタートする直前まで、レギュレーションの間をついた工夫を続けます。今回は太陽光発電時の車両の変形寸法に規定があり、いくつかのアイデアを行うために機材も持ち込んでいます。レース開始まで、いろいろと試そうと思っています」

-今大会にはどのように挑みますか?
濱根 「本戦はクルーザークラスでありながらスピード重視です。ですので、本戦での確実性を確保したいと考えています。複数チームがグループを作り並走し、混戦すると予想していますので、本戦重視の設定になるでしょう。天候の予想は現地の偵察班を強化しており、ソーラーカーに先行させて情報を取得させながら、ソーラーカーの位置情報を日本へ送り、日本で解析した天気データを衛星通信で受信するようにするなど人海戦術で挑みます。チャレンジャークラスのほうは、ほとんどのチームが双胴船型の『カタマラン型』を採用しているので、空気抵抗の性能には差がないのではないでしょうか」

-最後に意気込みをお願いします。
濱根 「この2年間、チームの作業場には『レースはスタートする前に結果は決まっている』というスローガンを貼りました。スタートする直前まで確実性を高め、攻める姿勢を取ることをチーム一丸となって実行します。ぜひ応援をお願いします」

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