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多摩平団地、リノベーションで街区名募集-築50年の旧公団住宅を活用

街区名募集を受け付けている「多摩平の森 団地活用計画」のホームページ

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 JR豊田駅近くの「多摩平団地」(日野市多摩平)で進められている旧公団住宅を使ったリノベーション事業に合わせて、現在、対象地区全体の名称を新たに決める「街区名募集」が行われている。

プランニングや設計に携わる大島さん

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 UR都市機構(横浜市中区)の賃貸住宅「多摩平の森」のうち5棟を民間事業者3社に建物部分を賃貸し、各社が目的に合わせて再生・改修工事を行い事業展開を目指す。同機構が展開する実験的な試み「ルネッサンス計画2」として初めてのケースになる。

 事業者の選定は昨年4月に実施。高齢者向け高機能住宅などを展開するコミュニティネット(中央区)、アルミサッシなど建具の設計・施工を本業とするたなべ物産(八王子市元本郷町4)、東京電力グループの東電不動産(中央区)の3社が選ばれ、各事業者は現在改修工事などを進めている。

 同団地は1958(昭和33)年に建設。「公団住宅は70年間の寿命を持たせてある。この団地は50年がたっているので、民間がURから借り受けて残りの20年を賃貸ビジネスを展開する形」とたなべ物産と東電不動産が進める事業に携わる設計事務所・ブルースタジオ(中野区)のクリエーティブディレクター・大島さん。

 5年前に住民の退去が完了しており、一部で建て替えも進められていた同団地。そうした中、「今あるものをどう活用するかというところからこの計画が進められた」。建物については配管など老朽化した設備は取り換えるが、構造面はほぼそのまま生かすという。

 「団地は一般の住宅とは違い、土地にゆとりがあって空地(くうち)も豊か」と大島さん。同団地はもともと1922(大正11)年に「宮内省帝室林野管理局日野苗甫」が設けられ、1948(昭和23)年にはカナダ人宣教師のアルフレッド・ラッセル・ストーン牧師が農村伝道の拠点「中央農村教化研究所」を設立するなど「歴史的にいい場所」だという。「しかも、団地になって50年もたつと30メートルを超えるケヤキの木があるなど公園化してくる」。そこで「公園を再生し、その中に住む」というコンセプトで各社のプランを立てた。

 今回はコミュニティネットが高齢者向け高機能住宅を、たなべ物産が30代やアクティブシニアをターゲットとした菜園付き集合住宅「kolonihave(コロニヘーブ)」を、東電不動産が団地の形を活用したシェアハウスを事業化。中でも、東電不動産が扱ううちの1棟については、中央大学(八王子市東中野)が同校の留学生などを対象としたシェアハウス「国際寮」として活用することになっている。

 名称の対象となるのは住棟5棟を含む外構全体。応募資格は八王子市、日野市、多摩市、立川市に在住・在勤・在学し、計画の趣意に賛同する人。ホームページのほか、はがきでの応募も受け付ける。採用者には5万円を進呈するほか、街開きの際に行われるイベントに招待する。締め切りは今月15日。

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