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ウィルコムの超小型PHS「ストラップフォン」発売-八王子の通信機器メーカーが開発

1月25日に発売されたフリスクサイズのPHS「ストラップフォン」

1月25日に発売されたフリスクサイズのPHS「ストラップフォン」

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 八王子の通信機器メーカー「エイビット」(八王子市南町)が開発したウィルコムの新端末「ストラップフォン」が1月25日、発売された。

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 1985(昭和60)年創業の同社。通信用計測器や半導体、PHS関連製品の開発メーカーとして知られるほか、2010年には地域密着型の人材育成センター「エイビットスクエア」、サイバーシルクロード八王子(明神町2)などと共にGoogleが開発した携帯端末向けOS「Android(アンドロイド)」の活用を目指す研究開発施設「OESF Android Open Lab」を開設するなど、さまざまな活動を行っている。

 ウィルコムへはこれまで多機能通信モジュール「W-SIM(ダブリュー・シム)」などを提供してきた同社。昨年11月に自宅の電話と同様のデザインや操作感を実現した同社開発の卓上型のPHS端末「イエデンワ」が発売されたのに続く端末となる。

 同製品はクラシエフーズ(港区)が展開する清涼菓子「フリスク」のサイズをコンセプトに開発。サイズは、幅=約3.2センチ、高さ=約7センチ、奥行き=約1センチで、「フリスク」のパッケージとほぼ同じ。コンセプトモデルは2008年に発表。大きな話題を呼び続けたこともあり、製品化に向け、「これは譲れないと執念と執着でウィルコムを説得してきた」と同社社長の檜山竹生さん。

 アイデアは檜山さんが高級ブランド「ルイ・ヴィトン」のフリスクケースを見かけたことから始まった。「5万円して当時買えず、今も手元にはないが、これにフリスクではなくて電話を入れたら面白いんじゃないかと考えたのが原点」だという。

 開発の際にはフリスクとほぼ同形にしてケースに収めることに加え、操作感に関わるキーボードの角度や形、高級感を出すために金属を使うなどにこだわった。「自分の欲しいものしか作らない」と檜山さん。「全ての人が持つものではなく、ある程度感度のよい限られた人たちが持つもの」と話す。

 2月1日現在、ウィルコムのオンラインストアでは在庫切れの状態と人気を集める同商品。「エイビットはこれまでもブランドメーカーだったが、電話機の中に入ってしまって、あくまでも『中の人』だった」と檜山さん。「ここにきて自分たちのブランドが出てきたところもあるので、製品がブランドを引っ張るような物作りをしていきたい」と意気込む。

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