京王堀之内に「太陽と風と木の家」-東大とコスモスイニシアが共同研究

9月下旬から販売が始まる「東京デコルテ グローイングヒルズ『ココラボモデル』」。国産材を採用し、太陽光発電設備を設置するなど、環境に配慮した住宅にもなっている。

9月下旬から販売が始まる「東京デコルテ グローイングヒルズ『ココラボモデル』」。国産材を採用し、太陽光発電設備を設置するなど、環境に配慮した住宅にもなっている。

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 大学や建設会社、不動産デベロッパーなどによる「ココラボモデル環境共生住宅建設委員会」は9月10日、同会の研究成果を基にして八王子市堀之内で建設を進めていた戸建て住宅「東京デコルテ グローイングヒルズ『ココラボモデル』」の販売を開始すると発表した。

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 同委員会は、マンションや一戸建を取り扱うコスモスイニシア(千代田区)と大学の建築系研究室などが手を組む形で2006年に結成。「建築家を目指す学生の発想とコスモスイニシアの経験、家族みんなの暮らしの夢を加えるとどのような家ができるのかというのがコンセプト」と広報を担当するコスモスイニシアの今井さん。

 2008年度には、同社と東京大学大学院が「環境共生住宅」をテーマに産学共同研究「ココラボ2008」を実施。2008年6月から半年間にわたり、一般からの意見も取り入れながら、省エネ・素材・外環境・住空間・街並みの5つの視点で住宅のあり方を検討した。「実験や発表会、子どものためのワークショップなどを行った。ここでできあがったのが今回の家のモデル」と今井さん。

 設計コンセプトは「『自然のちから』で心地よさをつくる、太陽と風と木の家」。家の中に日光や風などをうまく取り入れるため、地形や街並み全体の風の流れ、建物の形状などの情報を使ってシミュレーションや風洞実験を同大学大学院難波研究室で実施。このほか、材料や環境面などからもアプローチを行い、設計の際にはこれらの研究成果を生かした。

 今回は細田工務店(杉並区)が開発を進めている戸建住宅プロジェクト「東京デコルテ グローイングヒルズ」の中に2棟を建設。「街区の設計により作り出された風をウインドキャッチャーで取り入れて、家の中にどんどん入ってくるように計算されている」。個別の住宅では庇(ひさし)によって室内温度をコントロールするほか、屋根への蓄熱を防ぐ「クールルーフ」や床下には蓄熱コンクリートを採用。夏場は日差しを遮り、冬場は日光を室内へと取り入れるため落葉樹も植えた。「猛暑の中でもエアコン不要な気持ちいい家になった」と今井さん。

 販売価格は6,000万円台から。

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