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八王子市が民間企業2社と災害時連携協定締結 キャンピングカー活用など 

(左から)キャンピングカーの前で協定書を持つ初宿市長、鈴木社長、蜂谷社長

(左から)キャンピングカーの前で協定書を持つ初宿市長、鈴木社長、蜂谷社長

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 八王子市が4月24日、フェーズフリー認証を受けた災害対応キャンピングカーの活用と、官民連携でフェーズフリーの普及啓発活動を進めるために民間企業2社と協定を結んだ。

フェーズフリー認証を受けたキャンピングカー

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 「フェーズフリー」は平常時に使っている製品やサービス、施設などを災害時でも役立てる概念。今回はキャンピングカーのレンタルなどを行う「旅する車」を展開する「ベルネット」(八王子市宇津貫町)、キャンピングカーの企画・製造・販売を行う「日本特種ボディー」(埼玉県越谷市)との間で協定を結んだ。

 八王子市によると、フェーズフリー認証取得キャンピングカーの活用と、フェーズフリーの普及啓発を組み合わせた取り組みで官民が協定を結ぶのは全国初の試みという。

 今回はフェーズフリー協会(文京区)が行っているフェーズフリー商品の認証を受けたキャンピングカーについて、平常時はベルネットが一般に貸し出し、災害発生時には八王子市が優先的に借り受けることになった。

 3者はフェーズフリーの普及啓発に向けた活動も行う。ベルネットと日本特種ボディーは、6月に開業する商業施設「イオン八王子滝山」(八王子市滝山町)内のキャンピングカー常設展示場「Lots」に出店することになっており、同店にはフェーズフリー認証商品の展示コーナーを常設するという。

 今回は八王子市役所で初宿和夫八王子市長、ベルネットの鈴木一弘社長、日本特種ボディーの蜂谷愼吾社長が出席し、協定の締結式が行われた。会場には日本特種ボディーが製造、ベルネットが一般に貸し出すフェーズフリー認証のキャンピングカー2台と、八王子市が昨年度に導入したトイレカー2台が展示された。式典後、初宿市長はキャンピングカーを視察し、設備の詳細をスタッフに尋ねた。

 展示されたキャンピングカーは、いすゞ自動車(横浜市)のキャンピングカー専用シャシー「Travio(トラヴィオ)」をベースにしたもので、運転席と居住部を分けることで、走行時のシャシーのねじれを生かし、悪路でも全てのタイヤが地形に追従できるようにした。

 車内にはテーブル、キッチン、家庭用エアコンなどを用意する。車内設備は屋根に設置したソーラーパネルで発電し、リチウムイオン電池に蓄電した電源で稼働できる。蓄電した電気は災害時、スマートフォンの充電などで市民に利用してもらうことを見込む。オートマチック車限定普通運転免許でも運転可能なことから災害時、市の若手職員による活用も期待する。

 日本特種ボディーの蜂谷社長は「『備えない防災』という言葉に感銘を受けた。キャンピングカーを誰もが運転でき、普段は便利に使えて、いざという時は本当に役に立つようにできれば、フェーズフリーの考え方を広げていくことができるのではないかと考えて作った。免許を取ったばかりでも運転でき、いざという時にはたくさんの荷物を運んで現地に支援に行くこともできる垣根のない使い方ができる車を目指した」と話す。

 ベルネットの鈴木社長は「災害時には災害支援活動、平時にはレンタカーとして一般のお客さまに楽しんでもらえる車両として活用していただけるよう、フェーズフリーな活動をしていければ。こういった活動を八王子から全国に広げたい」と話す。

 初宿市長は「市長就任以来、基本的な考え方の1つにフェーズフリーがあった。『普段使いを非常時に』と表現しているが、普段から非常時に備える取り組みの重要性を認識し、市の中でもさまざまな取り組みを行ってきた。今回のキャンピングカーが災害時に役立ち、日常時にも楽しんでいただけるようにできるのはうれしく思うが、非常時に活用される事態が訪れないことを願っている」と話す。

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