八王子のご当地ヒーロー「転成合神（がっしん）ゲンキダーJ」と、地球環境を守るご当地ヒーロー「環境戦隊ステレンジャー」によるコラボ動画が現在、ユーチューブで公開されている。

　「ゲンキダーJ」は、2009（平成21）年11月から地域貢献活動の一環として活動しているご当地ヒーロー。2016（平成28）年には「八王子観光PR特使」の委嘱を受けた。「環境戦隊ステレンジャー」は、荒川の河川環境を守るために国土交通省荒川下流河川事務所などが展開している「荒川水辺サポーター」の一員として活動しながら、ステージや動画などでパフォーマンスを披露している。

　今回は「環境戦隊ステレンジャー」の20周年を記念して、コラボ動画を制作した。6月12日に前編、25日に後編を公開。戸吹クリーンセンター（八王子市戸吹町）を舞台に2組が対決した。

　動画では、道に置かれたペットボトルなどのごみをトングで拾い背中の背負ったかごに入れ、ゴールするまでの速さを競った。画びょうや輪ゴムなど拾うのに苦労を強いられるものも用意された。対決の後、「環境戦隊ステレンジャー」が戸吹クリーンセンターでの可燃物処理などを見学する様子も収録されている。

　「環境戦隊ステレンジャー」のプロジェクトに携わるエディーさんは活動を始めたきっかけについて、2000（平成12）年に都の清掃事業が23区に移管されたことを上げる。「その頃からリサイクルの細分化などが一般に広く意識され始めた。当時、北区のリサイクルの勉強会に参加しており、世間話をしていた時に、ごみの分別やリサイクルなどを子どもたちに分かりやすく伝える芝居ができないかと相談を受けた。われわれの劇団で引き受け、試行錯誤、紆余（うよ）曲折を経てステレンジャーが誕生した」と話す。

　20周年に合わせ、「皆さんの胸をお借りします！」を題した企画を立ち上げた。「ステレンジャーと関わりを持ってくれた全国のヒーローとのコラボ動画を企画した。まずは関東からということで、埼玉県の『埼玉戦士さいたぁマン』と、親交のあるゲンキダーJに声を掛けた」とエディーさん。ゲンキダーJを選んだのは、「東京にはほかにもヒーローがいるが、やはり一番の理由は仲良し、友達だから」とも。

　ゲンキダーJとステレンジャーの関係は深く、ゲンキダーJのキャラクターを管理する「八王子GJ計画」のみなとさんは、「ゲンキダーJの活動を始めるきっかけとなった長野県下條村でのローカルヒーローのイベントで初めて出会い、ショーも見た。その後、ゲンキダーJが10周年を迎えた時のイベントの台本もステレンジャーの代表の方に見ていただいた」と話す。

　今回の対決については、ゲンキダーJ側で用意したという。「最初は高尾山で迎え撃つつもりだったが、環境戦隊という相手を考えた時、50万人以上の都市でごみの少なさが3年連続で全国1位である八王子をアピールできる場所を舞台にしたら面白いものが撮れるんじゃないかと思った。関係各所にお願いしたところ、戸吹クリーンセンターが受け入れてくれた」とみなとさん。

　ごみ拾い対決という企画に、ゲンキダーJも「どの角度でトングを刺せば拾いやすいのか、体勢はどうしたらベストかと練習と対策を繰り返した。全力を持って立ち向かったが、結果は見ていない人のために伏せておく。一発勝負だったが楽しかった」と話す。

　戸吹クリーンセンターの見学については、「とても新鮮で楽しかった。ステレンジャーの動画内での反応がその全て。かなり長く撮影をしたが、泣く泣くカットしている部分が多くある。ぜひ実際に見学をしていただきたい」とエディーさん。みなとさんも「八王子のごみ処理がどのように行われているのか、社会科見学で見たことがある人もそうでもない人も改めて見てほしい。ステレンジャーの驚きように改めて清掃工場のすごさを感じられると思う」とアピールする。

　今回のコラボについて、「意外と楽しい企画になったので、またこのような対戦がしたい。街中でのクリーン活動なども市民の皆さんを巻き込むことで楽しくなるかと思う」とエディーさん。「今回のロケで八王子の皆さんのごみや環境への意識の高さを感じた。ステレンジャーもいい刺激を頂いた。その刺激をモチベーションに変えて意識高く活動していく。八王子でステージがある時には見に来てほしい」と呼び掛ける。

　みなとさんは「今回は八王子に来てもらったので、次回は荒川の清掃を」と述べた上で、「20周年という大先輩の祝いに花を添えられてよかった」と話す。「全国1位の八王子がいかにして生まれたかの理由の一つが今回の動画で見られると思う。1位であることを知らない人も多いと思うが、市民の皆さんは胸を張ってほしい。ゲンキダーJも応援していくので、今後も1位を継続していきましょう」と話す。