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野外イベント「みんなちがってみんないい」が最終回 30年の歴史に幕

イベントを手がける保高さん

イベントを手がける保高さん

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 多文化交流や環境共生がテーマの野外イベント「みんなちがってみんないい」の最終回が5月29日、八王子市役所前の浅川河川敷で行われる。

1993年に八王子総合卸売センターで行われた1回目の様子

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 国際交流や多文化との共生、不便さを楽しむことなどをテーマに据えて、1993(平成5)年から年1回のペースで行われている同イベント。2020年と昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止となったため、今回が2年ぶりの開催となる。通算28回目。

 当日は朝鮮能楽の楽団「誕古団(テゴダン)」やアイヌ民族の歌や踊りを披露する「AYNU RUTOMTE(アイヌルトムテ)」によるパフォーマンスに加え、大道芸の披露や福島第一原発事故の被災地の風景を撮り続けてきた写真家・中筋純さんによる「福島のその後と2014ウクライナ・キーウ(キーフ)騒乱の写真展」、磯沼ミルクファーム(小比企町)による羊の毛刈り体験などの催しを用意。事前募集した参加者によるオープンマイクイベントも行う。

 八王子市役所近くの喫茶店「馬天使」(中野上町4)店主で、イベントの実行委員長を務める保高泰一さんは「外国人や障がい者も含めていろんなハンデを持った人がこの社会では生きている。そういう人たちが普通に集まりお祭りをしようと始めた」と振り返る。イベントのタイトルは詩人・金子みすゞの作品「私と小鳥と鈴と」の一節から来ているが、30年前と比べて、「『みんなちがってみんないい』という言葉がこれだけ定着するとは思わなかった。世の中はすごく変わった」と保高さん。 

 今回を最終回と位置付け、約30年の歴史に幕を閉じる。保高さんは「私も70歳を過ぎたし、スタッフもみんなそう。このままいったらずっとやらなければいけなくなる。誰かが言い出さないとやめないから、私が言い出しっぺになった」と話す。「妙な伝統などはいらない。守っちゃだめ。やりたい人は残ればいいし、若い人があのお祭りを面白いと思ってくれたなら新しい企画でやってくれたら。その方が面白い。やめればまた何か生まれる。それでいい」とも。

 開催時間は10時30分~16時30分。入場無料。雨天決行。

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