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きぬた歯科院長が八王子市長選を勝手に告知 甲州街道の交差点に大型看板

明神町交差点に設置された、きぬたさんによる看板広告

明神町交差点に設置された、きぬたさんによる看板広告

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 八王子市内を通る国道20号沿いの明神町交差点に12月24日、西八王子駅側の「きぬた歯科」(八王子市台町4)のきぬた泰和院長による「八王子市長選、はじまるぞ! 今回も他人事でいいのか? おれはでないけど!」と書かれた大型看板広告が登場した。

甲州街道沿いの交差点に広告を設置

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 今回はこれまであった同院の看板広告と置き換える形で設置。きぬたさんがポーズを取る写真と文言、投票日である「2024.01.21」を記しているが、「きぬた歯科」の名称やきぬたさんの名前は入っていない。

 広告の設置を受け、X(旧ツイッター)では「『おれはでない』のに、市長選の日程を知らせるだけの看板を立ててしまうきぬた先生はすごい」「地元民として、必ず投票に行きますよ」(以上、原文のまま)などの投稿が見られる。

 地元の不動産業者「エスエストラスト」(横山町)がブランディング活動の一環で同院とコラボし、2018(平成30)年に設置した広告「きぬた歯科より目立ちたいけど、歯が立ちません」を引き合いに、Xでは「上の不動産屋さんの看板も好き」「上の『歯が立ちません』がめちゃ気になりますね」(以上、原文のまま)などのコメントもあった。

 きぬたさんが市長選の投票を啓発するため広告を設置した。きぬたさんは市長選の投票率が、2012(平成24)年=約35%、2016(平成28)年=32.6%、前回の2020年=約31.5%と30%台が続いていることを引き合いに出し、「恐らく政治に対して諦めているのでは」と話す。

 「市長は一番近く、身近に自分たちに影響を与える。さまざまな選挙の中で一番重要といっても過言ではない。いきなり政治を変えるのは無理だが、小さな成功体験を積み重ねてこそ民主主義を実感できる。仮に自分たち世代は変えられなくても、孫や子どもの世代には変えられる可能性がある。我々世代が放棄してどうするのかと思った」ときぬたさん。

 選挙啓発ポスターは「熱量を感じないから見向きもされない」とし、今回、広告を出すことにした理由として、「私は看板で成功した。であれば、多少でもいいので役に立ちたい、選挙の援護射撃をしたいと考えた」と説明する。「十分に名は売れているので、売名行為ではない。顔は売れているが、あくまでも一般人。うさんくさいなど引き付けるのに十分な知名度があると自負している」とも。

 今回の広告について、市選挙管理委員会に問い合わせ、「全く問題ないと報告を受けた」ときぬたさん。明神町交差点で広告を展開したのは、「年末でなかったら、もっと多数の告知看板をやりたかった。時間がない。本当は八王子駅前の看板でやりたかったが、巨大なため制作に時間がかかってしまう。すぐ作れて認知度が高い場所を考えた結果、さまざまなメディアで取り上げられた、エスエストラストとのコラボ看板を思いついた」と説明する。

 「八王子は立川や橋本にインフラなどで負けている。座して死を待つのは、縁あって八王子に住んでいる自分としては我慢ならない。何とかこの看板が話題になってくれればうれしい」ときぬたさん。「投票用紙に間違っても『きぬた歯科』とは書かないで」とも。

 石森孝志八王子市長の任期満了に伴う市長選挙は、2024年1月14日に告示、同21日に投票が行われる。

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