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八王子の企業が開発したハート型PHS発売-中国でも「変態端末」扱い

「Heart 401AB」を開発した技術開発1部部長の山下さん(左)と檜山社長(右)

「Heart 401AB」を開発した技術開発1部部長の山下さん(左)と檜山社長(右)

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 八王子の通信機器メーカー「エイビット」(八王子市南町)が開発したワイモバイル向けハート型PHS端末「Heart 401AB」が3月20日、発売された。

電話する際にはストレート型に変形させて使う

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 これまでに清涼菓子「フリスク」サイズのPHS端末「ストラップフォン」や卓上型PHS端末「イエデンワ」などを手掛けてきた同社。今回は、待受時にはハート型、使用時にはストレート型に変形させるギミックを採用した端末を開発した。

 ハート型時で、高さ6.8センチ、重さ54グラムとコンパクトに収まるよう工夫。コンパクトながらも約2時間の連続通話時間と約250時間の連続待受時間を実現させたほか、本体の操作にはタッチパネルを採用することで物理的なキーは廃し、文字がボディーに浮かび上がるタイプの液晶を採用するなど細部にもこだわりを見せる。

 社屋を会場に、変わり種の携帯電話やスマートフォンなどの端末、デジタル機器をテーマとしたイベントも行われるなど「変態端末メーカー」と呼ばれることも多い同社。今回は、女性ユーザーが興味を引く未来の端末を考える中、2006年に発表したコンセプトモデルを実現。「スマホとの2台持ちをもう一回進化させようということで、電話のようで電話でないものとして作った」と社長の檜山竹生さん。「不思議な物が作れるのはエイビットしかいない。これで、変態の方々に興味を引いてもらえるのものが、ストラップフォン、イエデンワ、Heartと3つそろった」とも。

 開発に当たり、ハートの形や色使いなどをデザイナーとともにこだわった。特に難しかったのがヒンジの部分で、「折り畳み式のクラムシェル型端末を作るメーカーが無くなってしまったので、それに関わっていた業者もいなくなってしまった。当時のヒンジ屋さんに頑張ってもらって、10万回ねじっても大丈夫なものを作ってもらった」と檜山さん。タッチパネルに関する開発はゼロスタートということもあり、苦労を重ねたという。

 「美少女戦士セーラームーン」とのコラボなども話題の同製品。発売前から一般誌などでも話題となったほか、中国のメディアが「変態端末」と紹介するなど海外でも評判に。「台湾に持っていった際には、かわいいと言われた」と檜山さん。「話題にできるので、飲み屋に持っていくグッズとしてもいい。変態端末は最高だし、デザイナーグッズにもしたい」としたうえで、「PHSそのものは古くて新しい技術。誰かがドライビングフォースにならなければなかなか持ち上がらないが、逆バリ精神と根性で頑張って八王子をPHSの街にできれば」と意気込む。

 ワイモバイルオンラインストアでの販売価格は、新規契約・ケータイプラン一括払いの場合で3万5,280円。

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