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「私はストーカーでもないし、真面目です」-イラストレーター・漫画家、小林裕美子さん

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■「長谷川町子さんの漫画一本の人生にあこがれていました」

‐イラストレーター、漫画家になりたいと思い始めたのはいつごろだったのでしょうか??
小林 「漫画家になりたいと思い始めたのは小学校低学年の頃からだったと思います。サザエさんの作者、長谷川町子さんの漫画一本の人生にあこがれていました」

‐最近の趣味や興味のあることはなんですか?
小林 「今はブログにはまっています。仕事半分、ブログ半分。一日中Macの前に座っています。人とのコミュニケーションや私が発信したものに対しての反応をすぐにいただけることが、なんだか楽しいです」

‐仕事部屋でロップイヤーも飼い始めたとか?
小林 「おっと、ロップイヤーへの質問ですか!飼っていたコザクラインコが死に、その寂しさを埋めるためです。本当は犬か猫がよかったのですが、今の環境では飼えないため、近所迷惑にならないおとなしい動物をと考えたらハムスターかチンチラかウサギあたり、という選択になりました。ロップイヤーは犬みたいで、あまりウサギっぽくないところに引かれました」

■「両親がちゃんと絵を学ぶことを薦めてくれた」

‐美大に行きたいと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
小林 「将来は絵を描く仕事に就きたいと思っていることを両親に告げた時に両親が美大、もしくは美術系の学校でちゃんと絵を学ぶことを薦めてくれたのがきっかけかもしれません。誰かが行っていたから影響されたというわけではありません」

‐美大受験のために予備校に通いましたか?
小林 「高校二年の秋から予備校に通い始めました」

‐どんな生徒がいましたか?
小林 「浪人生は何浪もしている人が沢山いましたし、大学をいったん辞めて、再度美大受験を目指している人もいました。自分で生活費、予備校費を稼ぎながら絵を描いている姿は真剣そのもの。彼らの切羽詰まった姿に刺激されました。一方、現役生は若さで押し切っていくすごさもありました。本番で予想外の力を発揮するのも、現役生に多かったような気がします」

‐美大受験の時のエピソードはありますか?
小林 「予備校には浪人生も多かったので、自分も受験に落ちたら浪人するのかもと不安でした。予備校の仲間も、受験期はよく泣いたりして情緒不安定でしたね~」

■「漫画はオーバーですが、似たような生徒や先生はいたはずです」

‐どんな学生でしたか? そしてどのような生活を送られていたのでしょうか?
小林 「無遅刻無欠席に近い状態でした。課題もクソ真面目にやっていました。機材がいろいろ使い放題なので、うれしかったし楽しかったです」

‐大学在学中、サークルや同好会などに入りましたか?
小林 「サークルには1年のとき釣り部とバドミントン…と8個くらい入って、ちょこちょこ合宿などに出たりはしましたが、2年のときごっそり辞めました。バドミントンの練習などが面倒になりました」

‐印象に残っている先生や友人、体験談などありますか?
小林 「漫画に登場する人物のモデルになったような人たちでしょうか。漫画はオーバーですが、似たような生徒や先生はいたはずです」

‐フリーになられるまではどのような仕事をしていたのでしょうか?
小林 「卒業のころは出版社に漫画を送りつけるなどの活動をしていました。そこで目をつけてくれた新潮社の佐久間憲一さん(現・牧野出版社長)の紹介で、卒業後、半年ほどブックデザイナーのアシスタントをしました。そこを辞めた後は、父親のデザイン事務所の机とパソコンを借りて、出版社に漫画の売り込みを続けながら、売り込み先でイラストの仕事をもらってはやっていました。その他に普通のバイトも」

■「編集者の意見と私の意見との方向性を合わせるのに苦労しました」

‐「美大デビュー」は着想から3年かけて完成したそうですが、今回の「美大デビュー 2」は完成までどのくらいかかりましたか?
小林 「『美大デビュー』が出てまもなく取材を始めたので、4カ月くらいでしょうか」

‐ブログにたくさんのボツ原稿の写真が掲載されていましたが、何に一番苦労しましたか?
小林 「私は1巻目と同じノリで2巻目も、と思っていましたが、担当編集者が『2巻目はもっと個人のキャラクターの内面に入り込んだ話を』との方針だったので、最初の段階からつまずきました。編集者の意見と私の意見との方向性を合わせるのに苦労しました」

‐漫画の主人公はご自身がモデルとのことですが、どのくらいご自身と同じだと思いますか?
小林 「半分くらいでしょうか。私はストーカーでもないし、真面目です。でも、いい加減なところはそのままかもしれません。どっちだ?」

‐「美大デビュー」の内容には、やはり実体験も含まれていますか?
小林 「1巻目の方が実体験が多いかもしれません。1巻目も2巻目も実体験からストーリーを膨らませたので、どこまでが本当かという境界線はもう分かりません」

‐取材のために母校である東京造形大学に行っていますが、他の美大へ取材に行ったことはありますか?
小林 「武蔵美(武蔵野美術大学)と多摩美(多摩美術大学)の学園祭を見に行きました。そこで学生さんをつかまえて、話を聞いたりしました。皆さん、真面目にちゃんと答えてくれました」

‐1回の取材にどのくらい時間をかけますか?それに対してどのくらいの本数を描きますか?
小林 「例えば朝から夕方まで美大を1日、見学&取材したとして、20~30ページくらいの話が1本書ける感じでしょうか…」

■「寄せられた感想に感激」

‐「美大デビュー」発売時にたくさん感想などが寄せられていたようですが、どんな気持ちでしたか?
小林 「もちろん、うれしかったし、最初に読むときはドキドキしました。相当長い感想を書いてくれたり、本の写真を撮ってくれたり、本屋さんまで行って探してくれたりした方もいて、感激しました。それぞれ心に残った個所、セリフが違うので面白かった。寄せられた感想はほとんどブログをやっている方たちからだったので、事前に『感想をブログに載せたいのですが、いいですか?』とか『載せたので読んで下さい』などと、お知らせメールをもらいます。皆さん、礼儀正しい方たちばかりで驚きました」

‐「美大デビュー3」の予定はありますか?
小林 「求められれば書いてみたいです」

‐今後描いてみたい題材はありますか?
小林 「いろいろな分野の『デビュー』シリーズも描いてみたいです」

‐ありがとうございました。

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