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八王子で「まちなかにぎわいプロジェクト」 多摩美大生と地元商店主がコラボ

「多摩美術大学八王子まちなかにぎわいプロジェクト」に参加している北恵さん(最右)、中橋さん(中央右)、毛利さん(最左)、梶田さん(中央左)

「多摩美術大学八王子まちなかにぎわいプロジェクト」に参加している北恵さん(最右)、中橋さん(中央右)、毛利さん(最左)、梶田さん(中央左)

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 多摩美術大学(八王子キャンパス=八王子市鑓水)の学生が現在、八王子の市街地の商店主とチームを組み、街全体のにぎわいを目指す「多摩美術大学八王子まなかにぎわいプロジェクト」を来年1月の最終発表会に向け進めている。

学生たちと話し合う「うめ八」の小磯社長と「AKITEN」の及川さん

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 同大環境デザイン学科が展開する産学共同プロジェクトの一環。全学から希望者が集まり、市内の商店とコラボし、9月から週1回のペースで八王子の商店が抱える課題や施策の検討などを進めている。

 プロジェクトには八王子駅周辺で空きテナントを使いアーティストの作品展など、さまざま事業を行っている「AKITEN」が各店と学生を結ぶ仲介役として参加。洋品店「イツミヤ」(八幡町)、タカクラメガネ(八幡町)、梅干し専門店「うめ八」(本町)、八王子のご当地グルメ「八王子ナポリタン」がメーンのカフェ「CADOCCOカフェ」(中町)、古書店のまつおか書房(東町)など市内の10店が学生とともに活動を行っている。

 「AKITEN」代表の及川さんは「これまでにもこのようなプロジェクトはたくさんあったと思うが、体験学習的なものが多く、学生の力と商店の力を合わせるというところまでいけていなかったのではないか。それに本気で取り組んでくれる商店主に声をかけ、それぞれの店の課題を解決しようとプロジェクトを進めている」と話す。

 参加店舗の中でも「うめ八」のプロジェクトには、同大生産デザイン学科プロダクトデザイン専攻1年の北恵昴さんのほか、グラフィックデザイン学科2年の中橋弘珠さん、同2年の梶田菫(すみれ)さん、絵画学科版画専攻1年の毛利万菜美さんの4人が参加。北恵さんは「授業をこなすだけでは自分のことしか出すことができないが、クライアントと物を作っていくことで勉強になるかと思って参加を決めた」と話す。

 「うめ八」の小磯道夫社長は、これからの梅干しはどうあるべきかを考える「梅干しの現代的意義」を課題として提案。「22世紀に向けて梅干し業界は背負って立つくらいものがほしい」と話し、「美大生は私たちが気が付かない、違う視点を持って刺激を与えてくるのでは。これからの梅干しの世界観やどうやって人をハッピーにしていくといいかを考えてほしい」と呼び掛けている。

 現在は「梅干しの未来を作る」とのテーマで、梅干しを一般に広めるためのアイデア出しを進めているという。まとめ上げたプランは来年1月下旬に行われる最終発表会の場で披露する。梅干しを広めるターゲットは現在、「地球規模」としており、「自分たちの提案で少しでも梅干しに対する先入観を変えるきっかけになれば」と北恵さん。

 小磯さんは「ターゲットを10億人単位にするのであれば、ブームを起こすくらいでは弱い。商売の中で行うプロジェクトだが表現に関わることは美大生らしくのびのびやってくれれば」と話す。

 「ゴールは美大生ならではの取り組みで、ビジネスとして店を成功させること。デザインやアートを商売に生かさない人も多いので、商店主にもアートやデザインがビジネスにつながることを知ってほしい」と及川さん。日頃、八王子の街中を通り過ぎてしまっている学生たちにも「このプロジェクトをきっかけに街になじみの店ができてくれれば」と期待を込める。

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