八王子発マイナンバー保管サービス 手書き前提に書類を写真保存

開発を手掛けたシーガルの桑山社長

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 八王子の産業活性化組織「サイバーシルクロード八王子」(八王子市明神町2)が11月20日、小規模・中小企業向けマイナンバー保管サービス「マイナBOX」を始めた。

全国で使ってもらうよう資料も用意

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 従業員数50人以下の事業所を対象に、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレット端末でもマイナンバーの取得・保管・利用・廃棄といった管理を行える同サービス。端末で通知カードや本人確認資料、マイナンバーを書き込んだ書類を撮影し、暗号化してクラウドに保管。書面にマイナンバーを記入する際には、保管されている写真を呼び出して手書きするというアナログな手段も取り入れることで安全に管理できるサービスに使用した。

 開発を手掛けたのは同会「ITネットワークマイナンバー研究会」のメンバーで、コンピューターに関するさまざまな事業を手掛けるシーガル(八王子教室=三崎町)の桑山義明社長。今春から研究会を立ち上げ、夏からは中小企業向けに「無料マイナンバー相談会」を開くなど、マイナンバー対策に向けた活動を行ってきた。

 「関心は高く、飲食店などは業種によってはアルバイトが取れないのではと思っているほど。相談会と並行し、紙で保存をしていると人に見られる危険性があるので、番号をクラウドで保存する仕組みが作れないかと考えていた」と桑山さん。大企業と異なり、中小企業では書類には手書きで対応することが多いことから「手書きを前提とするストーリーで考えた」と話す。

 開発期間は4カ月ほど。米・マイクロソフト社が提供するクラウドプラットホーム「Microsoft Azure」をベースにし、マイナンバーを書き込んだ書類は法定保存期間後に自動で破棄するなど運用に役立つ機能も盛り込む。「書類を長期保存しなければいけないので、バックアップを取ってもらう仕組みなども考えてAzureベースで開発することにした」という。

 「今年のうちにやることは、マイナンバーを取得し保管して、委託契約書や就業規則などの規定を作り、社員教育を行うだけ」と桑山さん。

 「紙のコピーを残さないので安全だし、スマートフォンやタブレットで操作できるので、コンビニのバックヤードなどスペースがない場所でも活用できる。利用者数目標は1万人。八王子で開発したものを全国で使ってもらうため、今後は商工会議所などを通じて全国にPRしていきたい」と意気込む。

 サービスインから1カ月たった現在、チラシなども活用して利用を呼び掛けている。同会事務局の香川さんは「マイナンバー対策で困っているお客さまの解決のツールの一つとして選択していただければ」と話す。

 初期アカウント登録料は3万円。このほか、月決め費用として最低利用料金1,000円、マイナンバー保管数1人につき50円がかかる。

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