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「まんがで読む 八王子歴史物語」シリーズ、5年ぶりに新刊-江戸時代後期の街の姿描く

5年ぶりの新刊となる第2巻を手に持つ松田さん

5年ぶりの新刊となる第2巻を手に持つ松田さん

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 多摩地域の書店などで2月10日、八王子の郷土史を漫画で学ぶことができる書籍「まんがで読む 八王子歴史物語」の第2巻が刊行された。

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 地元の郷土史研究家・新藤恵久さんと教育漫画家・松田純さんの2人が手掛ける同書。八王子をテーマとしたフリーペーパー「はちとぴ」などを発行している清水工房(八王子市追分町)の出版事業部門「揺籃社」から出版。シリーズとしては2010年以来、5年ぶりの新刊となる。

 八王子生まれの機織り(はたおり)神・ハタガミちゃんとそれを取り巻くキャラクターたちが江戸時代後期から幕末にかけての歴史を紹介。今作では「クラマくん」や「シルクちゃん」など新キャラクターも登場しストーリーを盛り上げる。「幕末の志士や八王子の知識人、八王子千人同心などが時代の流れの中でどう生きてきたのかを描いた」と松田さん。

 全6巻の物語として、当初は年1冊ペースでの刊行を予定していたが、「一つずつ取材と資料集めなどを進めていく中、思っていたよりも時間がかかってしまった」と松田さん。1章は20ページほどで構成するが、コマ割りやせりふなどを示す「ネーム」を完成させるのに2~3カ月、時代考証などの修正やその後の作画作業にも数週間かかったことから、5年もの歳月が必要だったという。作業を進める中で「新しい資料が出たことで時代背景や設定など話の筋が変わったこともある」とも。

 史実や時代的な背景などの情報を取り込みながら、ストーリーとして読ませるのには特に気を使ったという。「物語性と情報をうまく組み合わせてストーリーにするという構成が大変だった」。年齢差50歳で知られる新藤さんと松田さんのコンビだが、88歳になった新藤さんと「編集に携わっていただいた揺籃社の山崎さんには大変申し訳ないことをした」と話す。

 メーンターゲットは地元の子どもたちやその親たち。松田さんは「新藤先生のライフワークである研究と地元に根付いている歴史観を次の世代に伝えていくのは大きな仕事。新しく八王子に来て生まれ育った子どもたちに、故郷の歴史を見直し、街とつながり直すきっかけにしてもらいたい。大人も子どもと一緒に自分の生き方を考えるきっかけの一つになれば」と期待を込める。

 サイズはA5判、全216ページ。価格は1,000円(税別)。

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