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JR武蔵増戸駅、新駅舎の供用始まる-設計・デザインに若手社員起用

小泉さんが設計・デザインしたJR武蔵増戸駅の新駅舎

小泉さんが設計・デザインしたJR武蔵増戸駅の新駅舎

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 JR五日市線の武蔵増戸駅(あきる野市伊奈)で3月28日、新設された駅舎の本使用が始まった。

新設された武蔵増子駅の待合室

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 同駅は五日市線の終点駅・武蔵五日市駅の一つ手前の駅。乗降客数は2009年度時点で1日当たり約2,600人。JR東日本八王子支社(八王子市旭町)は老朽化などを理由に昨年11月、同駅と青梅線・白丸駅、川井駅の3駅の駅舎の新設を発表。約半年かけて工事を行い、既に白丸駅は2月14日に、川井駅は同月25日にそれぞれ本使用に入った。

 今回、各駅のコンセプトや設計・デザインについては、駅舎のメンテナンスなどを行っている同社建築技術センターの若手社員が担当。1人が1つの駅を担当する形で作業を進めた。「駅舎の新設はめったにないことだし、物は作ってなんぼ」と同センター工事科長の細田さん。「地図に残る仕事。若いうちにやらせたほうがいい経験になる」とも。

 同駅の新駅舎は同センター入社2年目の小泉さんが担当することになった。これまで使われてきたのは大正時代に建設された築85年の木造駅舎。設計を前に、昨年4月ごろから何度も現場に足を運んだという。小泉さんは「地域の人に愛されている駅。駅を取り壊す時には泣いているおばあちゃんもいた」と振り返る。

 いくつものパターンを試行錯誤しながら生まれた新駅舎のコンセプトは「『明』 シンプルで明快な空間」。これまでの駅舎が古い木造駅舎だったこともあり、「暗いイメージがあったので、明るいイメージにしたかった」と小泉さん。「通勤・通学や高齢者の皆さんがメーンの駅なので、大きい駅とは違ってシンプルな動線が中心になる」とも。

 今回、新しく駅のコンコースにガラスブロックを使用した半円形の待合室を設置。駅舎の外にあるサクラの木が眺めることができ、明るく開放的な空間となった。前職で住宅の設計を担当していたという小泉さんは「借景としてサクラを眺めるようにするという考え方は住宅を設計していた時の経験が生きたのかも」と話す。

 新駅舎について、同社設備部建築計画グループの西郷さんは「駅員が使うバックヤードなどお客さまには見えない部分ではコストを抑えながらも、外壁の色使いなどお客さまに見える部分についてはいいものができた」と評価する。

 設計段階では週に一度、工事が始まった11月中旬以降は週2、3回の頻度で現場に通ったという小泉さん。「掃除に行きたいくらい愛着がある」。工事の最終段階を残して、3月6日から駅舎の利用が始められた当駅。当日は駅を訪れ、「子どもたちに『すごくきれい』と言ってもらえたのが非常にうれしかった」と小泉さん。「これで満足せずに、次のステップに進んで大きな仕事をしていきたい」と意気込む。

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