八王子市が8月27日、スポーツコメンテーターでタレントの田中雅美さんを「八王子市子育て応援サポーター」に任命した。

談笑する田中さんと初宿市長

　シドニー2000オリンピック「女子4×100メートルメドレーリレー」の銅メダリストで、北海道から上京後、八王子学園八王子高校（八王子市台町4）、中央大学（東中野）に通うなど八王子との関わりが深い田中さん。2017（平成29）年の市制100周年の際には八王子を応援する「八王子100年応援団」の団員に就任。7月には市職員のキャリア形成に向けた研修の講師も務めた。

　今回は子育てを楽しむまちづくりの実現に向けた機運醸成や情報発信に取り組んでもらおうと同制度を立ち上げた。就任期間は2026年8月26日までの2年間。期間中、田中さんには八王子市の子育て施策などをメディアやSNSなどで発信してもらうほか、子育て世帯向けの講演や保育施設等への訪問などさまざまな活動を行ってもらう。

　初宿（しやけ）和夫八王子市長は「田中さん自身が子育てをされているから、保護者の目線で市の政策や職員にもいろいろな関わり、効果があると思う。『八王子は子育てナンバーワン』と言っているので、八王子が子育てにおいて魅力がある市だと発信していただきたい」と話す。

　当日は八王子市役所で任命式が行われ、初宿市長が田中さんに任命書を交付した。田中さんの印象について「オリンピアンだが本当に親しみやすく、気が置けない方だと思った。サポーターとしてばっちり」と初宿市長。

　田中さんは「生まれは北海道だが、高校1年生の時から八王子に世話になり、青春時代、現役時代と八王子の環境のおかげでオリンピックに出場できたと思うくらい。引退して20年だが時を経て、八王子に携わらせてもらえることをうれしく思っている」と話す。

　現在、6歳と4歳の2児の母である田中さん。「まだ小さくて手がかかる頃ではあるが、日々、子どもの成長と共に自分も成長させてもらっている。現役の時よりも大変なことが多々あるが、お父さん、お母さんは本当に頑張って子育てしているんだと生活の中で実感しているので、そういったことも皆さんと共有しながら、八王子は地域で子どもをすくすくと成長させる環境があることを発信できたらうれしい。世界に誇れる街になれるよう微力ながら協力できたら」と意欲を見せる。

　「子どもを授かってから、ママ友など同じ経験をした方に共感してもらい乗り越えられたことがあると実感している。お母さん世代には『1人じゃないんだよ』『共にがんばろうね』と伝えられたら。大変な時間を過ごしていると見落としがちな、子どもが与えてくれる幸せを思い返せるよう伝えられたら」とも。